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カムイ伝 第二部(17) ゴールデンC
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 1997/09/30 |
JAN | 9784091711175 |
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カムイ伝 第二部(17)
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カムイ伝 第二部(17)
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第8章「不知火」(14ー17巻) 竜之進「松造、拙者は(略)人の運命(さだめ)とは、一瞬先は闇とみて生きてきた。おぬしより拙者の方が先に逝くかもしれぬ」 松造「そんなことは承知の上でさあ。(略)人はなにも長生きするだけが能じゃねえ。ただ死ぬときには、おれは生きたんだってことを納得...
第8章「不知火」(14ー17巻) 竜之進「松造、拙者は(略)人の運命(さだめ)とは、一瞬先は闇とみて生きてきた。おぬしより拙者の方が先に逝くかもしれぬ」 松造「そんなことは承知の上でさあ。(略)人はなにも長生きするだけが能じゃねえ。ただ死ぬときには、おれは生きたんだってことを納得できる生きざまを(息子の小助に)教えてやってほしいだけでごぜえやす」(第14巻206p) 案外、この死生観がカムイ伝第二部の最大のテーマかもしれぬ。冗談です。 泥棒集団不知火一族のアヤメ奪還のために、タブテや五つ、竜之進、草鬼、日州、宮城音弥、カムイそして将来の老中堀田正俊までが活躍する。アヤメの奪還が何故重要かと言えば、逮捕・処刑の黒幕が酒井忠清だからというその一点に過ぎず、ここまで約3巻かけて描くのには、ずっと違和感があった。ただ、本当の狙いは別にあったのではないかと、今回再再読して思うようになった。ほぼ一巻かけて23年前の島原の乱が詳細に描かれる(アヤメの父親・道無の過去を描くため)。隠れキリスタン弾圧を機にした大きな「乱」であった。もちろん、差別される者に寄り添う姿勢は、正伝の中で一貫している。それは「カムイ伝」第一部第二部を貫くテーマでもある。しかしそれだけではない。実は島原の乱は、幕末を除いては、江戸時代に起きた唯一の幕藩体制を揺るがす「大戦争」だったのである。第二部が歴史的年代に拘った一つの狙いが、この島原の乱を描くことにあったのだとしたら、実は合点が行く。これは、カムイ伝が本来はたどりつくべき「戦争」、そして敗北に終わるべき戦争だったのではないか?つまりカムイ伝本来のテーマの前哨戦を描いたというわけだ。この時、反抗者だけでは無く、反乱を収めようとして失敗した一次二次の責任者は全て惨めな最後を迎えている。アヤメを逮捕する立場にある石谷奉行も島原の乱に参加していた。歴史的には他の責任をとって(この作品ではアヤメ処刑失敗の責任を取って)終わっている。こういう複雑な支配構造がカムイ伝本来の構想と結びついていたのかもしれない。ただ、この時点では物語全体から見れば島原の乱を無理やり挿入しているように思える。この大河物語が完結して、この伏線が生きたならば又違っていたのだが。 それと、事件の終息を告げる石谷十蔵町奉行辞職の件が1659年と書いている。この「不知火」の章のきっかけは、佐倉事件の終わりに竜之進が罠をかけられたことによる。佐倉事件は1660年なので、これは明らかに矛盾である。史実だとしても、それを実際書いてはいけなかった。明らかなミスを犠牲にしてまでも、石谷の辞職を「歴史的事実」だったと描く必要があったということなのだろう。 「カムイ伝第二部はどこに行くのか」ここで一旦切ります。長い長編もあと三章を残すのみとなっている。
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