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アレント 公共性の復権 現代思想の冒険者たちSelect
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2005/04/10 |
JAN | 9784062743594 |
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
だいぶアレントの考え方について行けるようになったのかなぁ。と錯覚させてくれた。 ⒈19世紀秩序の解体 ⒉破局の二十世紀 ⒊アメリカという夢・アメリカという悪夢 ⒋政治の復権をめざして という章立て。 3章までは錯覚したままページを繰っていけたけど、最後はいけません。哲学的な要素が...
だいぶアレントの考え方について行けるようになったのかなぁ。と錯覚させてくれた。 ⒈19世紀秩序の解体 ⒉破局の二十世紀 ⒊アメリカという夢・アメリカという悪夢 ⒋政治の復権をめざして という章立て。 3章までは錯覚したままページを繰っていけたけど、最後はいけません。哲学的な要素が濃くなるとともに、読んでも読んでもぽかーんとするばかり。まだまだだな。
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ハンナ・アレントは昔から気になる哲学者である。 が、なかなか難解というか、取っ付きが悪いところがあって、入門できなかった。 最近、70年前後に書かれた論文を集めた「暴力について」を読んで、なんだか入り口を見つけたような気がして、もう少し読み進めようと思ったが、昔、「全体主...
ハンナ・アレントは昔から気になる哲学者である。 が、なかなか難解というか、取っ付きが悪いところがあって、入門できなかった。 最近、70年前後に書かれた論文を集めた「暴力について」を読んで、なんだか入り口を見つけたような気がして、もう少し読み進めようと思ったが、昔、「全体主義の起源」を途中で挫折した記憶が甦る。 ので、とりあえず、全体像を把握してみようということで、最近、お気に入りの「現代思想の冒険者たち」のシリーズで入門を試みる。 いやー、かなり分かった気になりましたよ。「全体主義の起源」って、そういう話だったわけね。そりゃ、本を読んでも分かるわけないや。てな感じだ。この本のなかに引用されているアレントの文章を読んでも、ほとんど意味不明ですからね。あの本は、まず3巻を読んで、次に2巻、1巻と遡って行かないと初学者は近寄れないような特殊な構成になっているわけですね。 この本のよいところは、「全体主義の起源」、「革命について」などの歴史の解釈を巡る作品の解説があって、そのあとに理論的な「人間の条件」に進むというところ。理論が先にあるのではなく、まずは対峙すべき現実があるというわけ。 アレントの複数性とか、実践、対話といったことをベースとした公共性の議論は、自分の最近の思考のパターンとかなり近いことを発見した。そして、それらの背景には、人間は人間から生まれてきて、命を引き継ぎつつ死んで行く存在である、という人間がそもそも持つ継続性とか社会性に関する認識があるところがすごく共感する。 つまりは、世界への愛なんですよ。最後は、やっぱり愛。 とかなり共感しつつ、なんだかねー、というところもいろいろある。その辺も丁寧に解説してあるのが、本書の魅力である。 個人的に、アレントをなんとなく読んでいて違和感を感じていたのは、言葉の定義を厳密にわけていって論じるスタイル。例えば、暴力と権力は違う、とか、私的な領域と公的な領域の定義はこうだ、とか言っても、意味あるんかー、と思う訳です。 つまり、フーコー以降の権力論だと、まさにそれらって一体のものですからねー。 あと、後期ウィトゲンシュタインとか、ポスト構造主義的な言語論でも、言葉の意味をそれ自体を確定することは不能で、すべての言葉は他の言葉の存在を前提としてなりたっている。またその意味もコンテキストに依存するものだから。 つまり、一方的に、言葉の定義を明確にして議論しても、そりゃあんたの勝手でしょ、という言語観なわけですね。 というわけで、私にとってのアレントは、たどり着く結論はかなり共感するけど、そのたどり着きかたが、やや古典的というか、旧態ヨーロッパ的な実存主義で、やや違和感があるという思想家だなー。 アレントは、ハイデカーの弟子というか、一時愛人ですからねー。 そういうやや古典的な思考様式、分かりにくい論理展開にもかかわらず、アレントはとても魅力のある思想家です。 その思想の限界を指摘することはできても、彼女が対決した問題や問題に対峙する姿勢やプロセスのアクチュアリティは、誰も否定できない。 アレントをどう読むか、どう彼女と対話するかは、読者にゆだねられている一つの政治的な実践なのだ!
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ユダヤ人は、社会における独立した階級を形成していない集団であった。彼らは社会における地位を決したのは、階級への帰属ではなく、ユダヤ人であるということであって、そのユダヤ人たる特定の個人の地位を決したのは、結局国家だったというわけである。アレントによれば、ユダヤ人は国民国家の保護に...
ユダヤ人は、社会における独立した階級を形成していない集団であった。彼らは社会における地位を決したのは、階級への帰属ではなく、ユダヤ人であるということであって、そのユダヤ人たる特定の個人の地位を決したのは、結局国家だったというわけである。アレントによれば、ユダヤ人は国民国家の保護に依存する存在となり、自らの利義の擁護を国家そのものに頼ることとなった。またその利害を擁護するために積極的に政党政治に参与するようなことはなく、政治には受動的n存在、政治への不関与の立場を維持し続けた。彼女によれば、まさにこうしたユダヤ人の在り方、国民国家との特殊な結びつき方が、20世紀におけるユダヤ人の運命を決することになったという。すなわち、国家に対する不信、憎悪を、ユダヤ人が浴びることになったというのである。そして、そのことが、国民国家の没落と反ユダヤ主義の昂揚が同時的であることの1つの説明となるというわけである 。
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