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文化としてのシンフォニー(1) 18世紀から19世紀中頃まで
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文化としてのシンフォニー(1) 18世紀から19世紀中頃まで

大崎滋生(著者)

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文化としてのシンフォニー(1) 18世紀から19世紀中頃まで

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 平凡社
発売年月日 2005/02/24
JAN 9784582219647

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2016/02/03

 オーケストラ・コンサートにおける花形は交響曲である。CDでも交響曲の人気は高い。  しかし、交響曲とは何かと定義するのとなるとこれは難しい。本書では、ひとまず「大規模作品の一部としてではなくそれ自体が独立・完結した形で、コンサート等においてオーケストラによって演奏される、多楽章...

 オーケストラ・コンサートにおける花形は交響曲である。CDでも交響曲の人気は高い。  しかし、交響曲とは何かと定義するのとなるとこれは難しい。本書では、ひとまず「大規模作品の一部としてではなくそれ自体が独立・完結した形で、コンサート等においてオーケストラによって演奏される、多楽章の音楽作品」と記されているが、そのような定義をした途端にそこからするりと逃げ去ってしまうのが交響曲である。「多楽章」といった途端、「一楽章の交響曲」なるタイトルの曲をベルント・アロイス・ツィンマーマンが書くし、もっとポピュラーなものならシベリウスの第7番がそうだ。「オーケストラによって」? ダリウス・ミヨーの小交響曲第6番の編成は声楽四重唱とオーボエ・チェロという噴飯もの。そこまでいかなくとも、声楽のはいるベートーヴェンの「合唱」交響曲や、もうほとんど劇音楽といっていいベルリオーズの「ロミオとジュリエット」など、その外延は果てしなく広がっていく。  そこでかねがね私は「交響曲とは作曲家がそう呼んだものである」という定義を考えていた。リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲や家庭交響曲は交響曲といってもその実体は交響詩である、とよく説明されているが、シュトラウスが交響曲と名付けたのだから交響曲。そうしないと、ドビュッシーの「海」のような多楽章管弦楽曲は交響曲ではないのか、という問題が生じる。  さて、本書『文化としてのシンフォニー』第1巻は、このような疑問にある程度の回答を与えてくれる。つまり、交響曲という用語の歴史と、交響曲というジャンルの歴史を混同してはいけないということである。  日本では、ハイドン以降の時代の「交響曲」に対して、それ以前、例えばJ・C・バッハのような交響曲先史は「シンフォニア」と呼び、その起源はオペラの序曲(すなわちシンフォニア)に求められるという説明が人口に膾炙してきた。しかし、イタリアではベートーヴェンだってマーラーだってシンフォニアなわけだし、ドイツならジンフォニー、フランスならサンフォニーである。著者は音楽消費国イギリスのコンサート会場で「シンフォニー」として受け入れられたことから各国語を超えた概念としてこの用語を採用する。  シンフォニーは宮廷の音楽生活の花形であるオペラに対して、新興階級である市民のコンサートの花形としてイタリアに勃興したとみる。ジャンルとしてのシンフォニーの源流の一人は何とヴィヴァルディ。つまり彼のコンチェルトは宮廷ではなくコンサートで演奏され、とりわけ独奏楽器を伴わない、合奏のためのコンチェルトは同時代のイタリアの作曲家のシンフォニアとそうかわりはないというのである。シンフォニーはフランスに播種し、そしてベートーヴェンにおいて、ドイツの民族主義意識を背景として、音楽でしか表し得ない深い思想を表現する最高の音楽形式という、今日まで生き残る概念が形成されたという。シンフォニーの仮想敵は宮廷のオペラなのであり、ベートーヴェンはその精神性においてロッシーニを打ち破ったとみなされた。かかる経緯を当時の音楽生活、すなわち社会・文化の局面を丹念に追いながら検証していくのが本書の真骨頂である。  ベートーヴェンの死後、「最高の交響曲」を前にしたリースやシュポアの苦闘も興味深いが、ベートーヴェンとはいささか異なった方向にロマン派の扉を開けていったメンデルスゾーン、シューマンの時代に話が進んで本巻は終わり。ロマン派は第2巻へ。

Posted by ブクログ

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