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マルチチュード(上) 帝国時代の戦争と民主主義 NHKブックス1041
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日本放送出版協会/ |
発売年月日 | 2005/10/28 |
JAN | 9784140910412 |
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マルチチュード(上)
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商品レビュー
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-2007.11.13記 アントニオ.ネグリとマイケル.ハートによる「帝国」の最終章は「帝国に抗するマルチチュード」と題されていた。 グローバル化した世界の新秩序たる<帝国>に対抗しうるデモクラシー運動を根底的に捉えるために、彼らが導入したのは17世紀の哲学者スピノザに由来する「マルチチュード」という概念であった。 ネグリとハートのコンビによる「帝国」に続く書「マルチチュード」はNHKブックスの上下本として05年10月に出版され、私の書棚にも2年近く積まれたままにあったのだが、このほど走り読みながら上巻をやっと読了。 マルチチュードとは<多>なるものである。人民.大衆.労働者階級といった社会的主体を表すその他の概念から区別されなければならない。 人民=Peopleは、伝統的に統一的な概念として構成されてきたものである。人々の集まりはあらゆる種類の差違を特徴とするが、人民という概念はそうした多様性を統一性へと縮減し、人々の集まりを単一の同一性とみなす。これとは対照的に、マルチチュードは、単一の同一性には決して縮減できない無数の内的差違から成る。その差異は、異なる文化.人種.民族性.ジェンダー.性的指向性、異なる労働形態、異なる生活様式、異なる世界観、異なる欲望など多岐にわたる。 マルチチュードとは、これらすべての特異な差違から成る<多数多様性>にほかならない。 大衆=Massという概念もまた、単一の同一性に縮減できないという点で人民とは対照をなす。たしかに大衆はあらゆるタイプや種類から成るものだが、互に異なる社会的主体が大衆を構成するという言い方は本来すべきではない。大衆の本質は差違の欠如にこそあるのだから。すべての差違は大衆のなかで覆い隠され、かき消されてしまう。大衆が一斉に動くことができるのは、彼らが均一的で識別不可能な塊となっているからにすぎない。 これに対してマルチチュードでは、さまざまな社会的差違はそのまま差違として存在しつづける-鮮やかな色彩はそのままで。したがってマルチチュードという概念が提起する課題は、いかにして社会的な多数多様性が、内的に異なるものでありながら、互にコミュニケートしつつともに行動することができるのか、ということである。
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国家主権の戦争から民族内紛へ。単一主権からマルチチュードへ。 集中型からネットワーク型。 こういった世の中のトレンド変化を踏まえた記述である。 ただ、本書は哲学の書であり、なぜかそういうトレンドとなっているのかや、処方箋を示しているわけでもない。 筆者達は左翼の復権とか、究極の民主主義を願うとは言っているが。 (スピノザの『政治論』が再解釈がベースらしい) (共著3部作) 『帝国』 大学319.N62 『マルチチュード』(本書) × 『ディオニュソスの労働』 人文書院 2008
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民主主義と自由、これが彼らの信じるほどよいものかは微妙だが、世界の道行きに関してはだいぶ正確に見通してると思える。荒唐無稽な理論などではなくて、様々な現象をむしろ帰納的に整理して見せたのだ。 で中身は?と聞かれるならば、グローバルと生権力という2つの傾向があるわけで、ミクロとマク...
民主主義と自由、これが彼らの信じるほどよいものかは微妙だが、世界の道行きに関してはだいぶ正確に見通してると思える。荒唐無稽な理論などではなくて、様々な現象をむしろ帰納的に整理して見せたのだ。 で中身は?と聞かれるならば、グローバルと生権力という2つの傾向があるわけで、ミクロとマクロに引き裂かれながら人々は微塵切りにされていく。いかにして美味しいミックスジュースになるかではなくて、いかにして硬く抵抗するかでもなくて、この傾向を受け入れた上で有効な言説を練り上げようというのがこの本だ。 国民国家はいまや喘いでいる。ならば、この本は尚更に読まれるべき。
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