いっぱい泣くとのどがかわくよ

アンケクラーネンドンク(著者), 長山さき(訳者)

• 販売会社／発売会社: パロル舎/
• 発売年月日: 2005/03/26
• JAN: 9784894190344

商品レビュー

2012/12/03

大好きなおじさんが病気になって死んでしまう。
ちいさな甥っ子視点のお話。

薄い本だからか展開が早い。
あんまり会ったり話したりもしないうちに進んでしまう。
元気な子供のヨーリスに流れる時間と、死にかけたおじさんのフーホーに流れる時間の早さは違う。
そういうところがリアル。（そういえば「リアル」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/B004B8U2PKにも、病人とそうじゃない人の時間の違いがあった）
おじさんの病因がわからないのは子供視点だからか。

ヨーリスは衰弱するフーホーに会うのをためらう。
お母さんはそれを理解してくれる。
原著は1993年出版。「子供に見せるべきじゃない」と「きちんと説明すべき」がまだ渾然としていたころ？
オランダではどうだったんだろう。

「はいけい、女王様」http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4198608296を思い出していた。
タイトルが良い。

2010/01/05

子供の視点から描かれたという点では、なかなかの良作かと思います。が、やはり短い短編のせいか展開が早く、感情移入は難しかったのが、難点。
ヨーホー少年が作ったおもちゃを、自分のために⇒おじさんのために⇒赤ちゃんのために…とくるくる変えるのはいかにも子供らしいです。
いっぱい心配して、いっぱい泣いた少年の心は最期に、大人への階段を一段上がっていくことでしょう。
揺れ動く少年の心の動きをこの作品で感じてみて下さい。

2009/03/15

仲良しの親友でもあるおじさん(お母さんの弟)が治らない病気になってしまう話。
おじさんのそばで、少年は死を考える。死を受け入れるのが難しいけれど、一生懸命考える少年。
少年に対してのおじさんの愛情がとてもあったかい、いい話でした。