ぼぎちん バブル純愛物語 集英社文庫

横森理香(著者)

• 販売会社／発売会社: 集英社/
• 発売年月日: 2005/04/20
• JAN: 9784087478136

商品レビュー

2013/11/03

バブルのまっただ中にいる男と、その男とだけの2人の世界にいる女の話。
お金の有無、女性関係、そんなこんな関係なく、一緒にいるだけで幸せ、と思える人はなかなかいないよなぁ

2013/01/21

愛されている実感を得ることでしか、自分の存在を肯定できない。。そういうことって、若い頃に恋愛にのめりこんだら、やっぱり起こりうると思う。
この話はお金が絡んでくるから、それがまたややこしくなるねんけど。

愛情＝束縛からの脱却、自己の確立。
この過程は、読んでていらいらする。語っていることと行動が正反対やから。
けど、脱出したくてもがいている人みんなに共通することやと思う。うまいこと書いてるなあ。

2011/07/02

「流星たちの宴」のヒロイン理子のモデルとなった女性が書いた、もうひとつの作品です。ハチャメチャな人間である「ぼぎちん」と付き合えたのはある意味ではこういう女性なのかも知れない、と思いました。

以前、白川道の『流星たちの宴』について書きましたが、何かがきっかけで、僕は後にヒロインの理子のモデルが彼女だと知った。この本は彼女の側から「ぼぎちん」こと白川道との恋愛とバブルの時代を書いた貴重な記録だと思います。この書評を書くために読み返してみましたが、白川道こと梨田雅之がほとんど狂気に近い形でバブルの相場の世界に踊っているのに対して、彼女はなんていうのか、出会ったのは「ぼぎちん」が当時勤めていた兜町のある投資顧問会社だったのですが、
短期のアルバイト感覚で入社してきているせいなのか、全編を通してすごく醒めた眼差しでものを見ている感じがするのです。

物語では、お金がなくなるときはつつましくそしてお金がジャンジャン入ってきたときはまるで湯水のように金を使っていく二人がやがて破綻していくさまがとても切なかったです。ヒロインの女性はほかの男と逢瀬を重ね、やがて、「ぼぎちん」も相場が大暴落をしてすべてが灰燼に帰す―。そういう内容です。

『流星たちの宴』は純粋な相場小説ですが、この小説は恋愛ものとしても十分に楽しめると思います。