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宣長神学の構造 仮構された「神代」
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ぺりかん社/ |
発売年月日 | 1999/07/05 |
JAN | 9784831508850 |
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宣長神学の構造
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古事記の注釈学として独自の神学を構築した本居宣長の思想の構造を、内在的に解明している本です。 本書の「序」で著者は、村岡典嗣や子安宣邦による本居宣長の評価に触れて、本書の課題を明らかにしています。村岡は、宣長の注釈学が近代的な文献学に通じるものであることを高く評価しつつも、国学...
古事記の注釈学として独自の神学を構築した本居宣長の思想の構造を、内在的に解明している本です。 本書の「序」で著者は、村岡典嗣や子安宣邦による本居宣長の評価に触れて、本書の課題を明らかにしています。村岡は、宣長の注釈学が近代的な文献学に通じるものであることを高く評価しつつも、国学的思想を文献学的方法からの逸脱として否定的に評価しました。他方子安は、宣長が注釈学という方法をとりつつイデオロギー的な「日本」の自画像をつくりあげていったことを、「外部」の視点から検討しました。これに対して著者は、宣長の構築した国学思想を独自の「神学」として位置づけるとともに、注釈学的方法による神学の構築過程を解明することをめざしています。 具体的に論じられているテーマは、「自然」のうちに「道」を見いだす立場から「神の道」を説く立場へと宣長が写っていった経緯や、神を実在と規定することによる神代と人間の歴史との関係、さらに高天原・葦原中国・黄泉国の三層構造から成る神学的コスモロジーなどです。 宣長の思想をていねいに解説している内容で、おもしろく読むことができました。ただ、「序」に語られている著者の目論見と本論の内容に、いくぶん齟齬があるようにも感じられました。注釈学的方法によって「神学」を構築するプロセスを「内在的」な観点からとらえることは、注釈学の方法論に踏み込むことなしには果たし得ないように思われるのですが、本書の議論はもっぱら宣長自身がその思想を構築していったプロセスを単にたどることに終始しているように見えてしまいます。
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