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天授の子 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 1999/06/01 |
JAN | 9784101001258 |
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天授の子
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商品レビュー
4
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- ネタバレ
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作者が生前に単行本収録を見送った作品を、死後数年後にまとめた作品集。 当時の読者にとっては垂涎の幻の作品たちだったのだろう。 未収録ってことは失敗作なのかといえば、そんなことは全然ない。 むしろ未完であることや、作者の身内を慮ってだろう。 だが川端にとって「小説の完結」って概念がそもそも怪しいし、慮るならそもそもなんで書いたの。 ■故園(未完) 1943年連載開始。40代で養女を迎えた顛末を記す。 《私が門口をあけるなり、えらい足音で駆け出して来た子供は怒って顔を真っ赤にして「おそいなあッ」と叫ぶと、両手の握りこぶしを肩まで振り上げて、私を殴るように抱きついた。》 12歳である。 実際の事情はいろいろあるだろうけれど、若い娘の生命を愉しみたいという欲望がなかったとは言えまい。 「古都」の息子の嫁という例もあるし。 で、同時に興味深いのは、養女の境遇に思いを巡らすうちに、自分自身の過去の回想にもなり、全体として「私的記憶論」のようになっていること。 些末な記述だが、「作中人物の私をいやな人間に書」くんだとか。 結構核心的な創作論だと思う。 ■東海道(未完) ※1943年「満州日日新聞」に連載開始。 ちょっとハードルが高そうで未読。 ■感傷の塔 戦後の作。 戦争中文通をしていた複数の女性読者への手紙、というてい。 これは大変美しい作品だと思う。 ■天授の子 「故園」の6年後。 養女・民子の母・時子の危篤に、まずは自分が、続いて妻と民子が来る。 冒頭、語り手・定家(さだいえ)はペン・クラブ会長として広島行き。 惨禍に背中を押される思いがしたと、結構スレスレなことを思いつつ、時子の大阪へ。 ここ実は定家が幼いことに住んでいたあたりなので、自然と自分の少年期も思い出される。 で、民子は6年間実母と交流が薄かったという件。 同時に妻の流産続きの件。 結構入り組んでいる上に散漫な話なのだが、面白い作品だと思った。 てか大いに自分(の身内)を切り売りしてんなー。 ◇解説 佐伯彰一 ◇覚書 川端香男里(養女政子(=民子)の夫) ◇年譜
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