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陽水の快楽 井上陽水論 ちくま文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 1999/03/24 |
JAN | 9784480034588 |
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陽水の快楽
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商品レビュー
3
2件のお客様レビュー
先ずユリイカだか現代思想だかから特集で出ていて、そっちで読んだ。陽水の歌詞を題材にした、という方が合ってる。主役は陽水でなく竹田さん。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ひとこと、「凄まじい」。 以前から竹田先生が陽水に惚れ込んでいるとは聴いていたけれど、ここまでとは思いも寄らなかった。凄まじいとしか言いようのない批評。 陽水の楽曲をあまり知らない自分としては、どのように読めば良いやらとも思っていたけれど、ここで語られているのは、要は「夢を夢と知りながらも、諦めない心ってどんなものか」ってことだ。 人は夢を見る。社会がこうあったらよいのに、自分がこうあれたらよいのに、あの人を手に入れられたら、もしそうであったらすべてを手にしたも同然なのに。 しかし往々にしてそのような夢は破れ、その傷口からのぞいた現実という名の血潮の洗礼を受けて人々は黙り込む。 そしておかしなことがおこる。そのような洗礼を受けた人々は、夢という皮膜を未だ信じ続けている人々のことをこけおろすようになる。なんだ、その綺麗な皮膜のままで生きていけるとでも思っているのか。馬鹿だな、ここは切れば血の出る現実世界、時が経てば皺のよる惨めな世界なんだぞと。 しかし、そうと知りながら諦めないものたちが居る。恋愛・芸術・政治の現実を知りながらも、その夢の世界に賭けるものたちがいる。そこで生じている心はどのようなものなのか。いや、どのようなスタンスがそのような夢に賭ける生を可能にするのか? 竹田は、井上陽水の歌謡批評を通して、上記の問い、すなわち「世界の想像と喪失と再構築」をめぐる現象学的省察を行っている。 ここで興味深いのが、陽水の批評を通じて、「音楽に感動するとはどういうことなのか」という難問にまで挑戦していることだ。 この解答として竹田は「幻想的身体」という概念を提起しているが、個人的にはこの概念への判断は自分なりに省察・洞察してみた後で考察してみたい。 ともあれ、陽水の楽曲を知らずとも、いつのまにか励まされているという不思議な一冊だ。ぜひご賞味在れ。
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