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日本の憑きもの 社会人類学的考察 中公新書
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日本の憑きもの 社会人類学的考察 中公新書

吉田禎吾(著者)

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日本の憑きもの 社会人類学的考察 中公新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 1999/10/15
JAN 9784121702999

日本の憑きもの

¥825

商品レビュー

4.3

9件のお客様レビュー

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2010/05/28

憑き物の正体は、迷信…

憑き物の正体は、迷信や精神障害です。かつてはそれが如何に捉えられていたのか。興味深い内容でした。

文庫OFF

2022/05/06

前々から読みたいと思っていたのだが手に入らず困っていたところ、最近通い始めた図書館に所蔵があって助かった。イヌガミやオサキ等日本の憑きものについて、独自の調査もしつつ海外と比較するなどしており面白い。 最近読んだ本に、アフリカの農村について「ひとりだけ人気の作物を作り始めたら収...

前々から読みたいと思っていたのだが手に入らず困っていたところ、最近通い始めた図書館に所蔵があって助かった。イヌガミやオサキ等日本の憑きものについて、独自の調査もしつつ海外と比較するなどしており面白い。 最近読んだ本に、アフリカの農村について「ひとりだけ人気の作物を作り始めたら収穫をみんなに分けなくてはならない。分けないと嫉妬されたり呪われたりする。だからやらない」といったような記述があり「oh人類」という気分になったのだけれど、本書だと憑きものに関して「急に羽振りが良くなると憑きもの筋だと言われる/筋の者に憑きものをけしかけられるので、慎んだり皆に分けたりしなくてはならない」といったような記述があり「人類皆兄弟」という気分になった。 つまり緊密な社会において嫉妬を受けることは災厄をもたらすので、避けるための協調性が求められ、この点は世界的に共通しているという話にまとめられるような気がする。 謙遜が美徳ということの意味が長らくよく分からなかったのだけれど、嫉妬を避けるという意味で十分な役割があるものだったのね。

Posted by ブクログ

2018/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本における憑きもの現象を、主として社会人類学の視点から解説・考察した書。著者自身がフィールドワークで収集した事例を諸外国の類例と比較しつつ、憑きもの現象が日本の村落社会において果たす役割、そこに現れる伝統的な価値観や思考形態を分析する。 本書は、日本における「憑きもの現象」――特に「キツネ憑き」や「イヌガミ憑き」といった悪しき霊的存在が人に取り憑いて害を与えるケースを取り上げ、これを社会人類学の立場から調査したものである。著者は実際に憑きもの現象のある地域でフィールドワークを精力的に行ってきており、そこで得た豊富な事例を、類似する海外の邪術・妖術信仰と比較しながら紹介していく。その上で、憑く人(いわゆる「憑きもの筋」の人)・憑かれる人がその村落でどういう立ち位置に属しているのか、人間関係はどうか、憑霊現象が村の人間からどういう認識で受け止められているのかを一つ一つ分析する。憑きものという概念・信仰が、村落社会のなかでどのような構造の中にあるのか、どのような機能を有しているのかを論じるのである。 そして著者は、憑きもの現象の意義とは「複数の関係原理が入り混じる村落社会において共同体を統制・維持する」ものであると結論付ける。即ち、単一ではなく複数の関係構造の中にあるような村落社会において、憑く・憑かれることへの恐れから村落内での秩序逸脱を抑制し、関係性の曖昧さゆえに摩擦の起こりがちな村人間の摩擦を緩衝し、村落構造を維持するという社会的な意義である。 本書を読んで興味深かったのは、本書の終盤での西洋における魔女狩りとの比較である。日本の憑きもの信仰も西洋の魔女狩り(妖術者迫害)も、根本的には社会の規範を違反した者を「妖術使い」として処罰し社会構造を維持するという共通点がある。しかし、それなら何故日本のそれが西洋のもののように(かえって社会情勢を混乱させるまでに)大規模化しなかったのかという疑問が生じる。著者はこのことについて、日本では部落内での互助活動などで筋・非筋の家々が密接に結びついており、(差別や対立はあるにしろ)まず部落の社会的統一に最大の努力を払う部落連帯性が強い故ではないか、としている。このあたり、西洋においてもこうした観念を産み出すような互助活動の構造はないのだろうか、といった点が気がかりとなった。 事例が国内外問わず多数収録されているので、初学者でも分かりやすく憑きもの信仰の姿を知ることが出来る一冊である。

Posted by ブクログ

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