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キリンヤガ ハヤカワ文庫SF
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キリンヤガ ハヤカワ文庫SF

マイク・レズニック(著者), 内田昌之(訳者)

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キリンヤガ ハヤカワ文庫SF

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 早川書房/
発売年月日 1999/05/31
JAN 9784150112721

キリンヤガ

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商品レビュー

4.1

42件のお客様レビュー

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2010/05/28

ヒューゴー賞受賞の連…

ヒューゴー賞受賞の連作短編集。「空にふれた少女」、胸が痛みます。

文庫OFF

2024/09/25

#23奈良県立図書情報館ビブリオバトル「祓う」で紹介された本です。 2012.12.15 http://eventinformation.blog116.fc2.com/blog-entry-902.html?sp

Posted by ブクログ

2024/09/14

近代化を拒絶するケニアのとある部族。本書の舞台は、その伝統社会を存続させるために設立されたユートピア小惑星キリンヤガ。言ってみれば、「本当の私たち」を取り戻そう!という、反近代的でウヨクな究極の夢がもし叶うとしたら……、というSF寓話集だ。このような近代化とそれへの反動を扱う作品...

近代化を拒絶するケニアのとある部族。本書の舞台は、その伝統社会を存続させるために設立されたユートピア小惑星キリンヤガ。言ってみれば、「本当の私たち」を取り戻そう!という、反近代的でウヨクな究極の夢がもし叶うとしたら……、というSF寓話集だ。このような近代化とそれへの反動を扱う作品は研究書を含め数多あるわけだが、一定のアカデミックっぽさと文学作品としての叙情性をあわせもつ本書はその中でも抜きん出ていると思う。 その主たるテーマは、伝統を守ろうとする強い意志と、それを押し流そうとする大きな流れとの葛藤だが、多くの読者がその相矛盾するどちらの立場にも自分自身を見出しうるだろう。それは哀しく、苦しい。本書においてこの葛藤はある意味ありきたりかもしれない、冷酷な結末へと収束させられる。結局のところ人から離れて至高の価値など存在し得ないのであり、注意すべきは自らを正しい少数者と見なすに至る自己認識の段階ということなのかもしれない。 「キリンヤガは、ふたつのまったくことなるグループに分かれているようだった。日々の生活に満足してなにも考える必要のない人びとと、なにかを考えれば考えるほどわれわれが築きあげてきた社会から遠ざかってしまう人びとだ。」 なお、アカデミックな知見を踏まえた本書は、近代化をめぐる諸問題を学ぶための教科書としても面白い。例えば、至高の価値を体現する「伝統」社会が、どこにもないという本来の意味でのユートピアであるだけでなく、それさえも近代化の産物であることなども、物語の中に織り込まれている。また、近代化の問題が世代の問題、ひいては親子の問題であることが物語の通底にあるが、私にはこれが本書の性格を特徴付けている一つであるように感じられた。主人公にとってのディストピアという点では、オーウェルの『1984』との対照を考えてみるのも面白いのかも。キリンヤガの「故郷」ケニアの人がどう読むのかは気になるが、この種の問題に興味のある人にはお勧め。文学ってすごい、というのは堪能できる。

Posted by ブクログ

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