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経験の危機を生きる 応答の絆の再生へ シリーズ 現代批判の哲学
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青木書店/ |
発売年月日 | 1999/04/09 |
JAN | 9784250990182 |
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経験の危機を生きる
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本書の冒頭で、著者はミュージシャンの上田正樹の言葉を引用しています。上田は、日本でのライヴに参加する観客たちが「一様にノッて拍手するさまは、確かにスマート」だけれども、「それは『やり方』を知っているだけで、『感じて』はいない」と語っています。そこには、ナマの演奏に触れることのでき...
本書の冒頭で、著者はミュージシャンの上田正樹の言葉を引用しています。上田は、日本でのライヴに参加する観客たちが「一様にノッて拍手するさまは、確かにスマート」だけれども、「それは『やり方』を知っているだけで、『感じて』はいない」と語っています。そこには、ナマの演奏に触れることのできるライヴでの「経験」が、「生の交流」をもたらすような力を失ってしまっていることへの問題提起があります。大衆消費社会が、生き生きとした力をもっているはずの「経験」を疎外し、貧困なものにしてしまったのです。さらに、こうした経験の抑圧は、われわれの心理にゆがみをもたらすことになります。 著者は、こうした問題意識に基づいて、対象との「生の交流」を可能にするような豊かな経験をとりもどそうとしています。ブーバーの『我と汝』を参照しながら、「他者」との出会いの「経験」について考察をおこない、フランクルの実存分析を解説しながら、自己の運命を投企する「経験」について語っています。また、患者を「実存」する人間と見ず単なる「症例」としてしか扱わない精神医学に反旗を翻したレインの試みや、「経験」から「表現」への移行を語った大江健三郎の小説論が、「経験」という観点から見なおされていきます。 基礎経験の三層構造といった体系への志向が見られますが、少なくとも本書を読む限りでは、その有効性はまだ十分に開陳されていないようです。とはいえ、著者の取り組んでいる問題そのものは明瞭で、興味深いと感じました。
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