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凍りついた香り
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 幻冬舎/ |
発売年月日 | 1998/05/15 |
JAN | 9784877282233 |
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凍りついた香り
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商品レビュー
3.5
28件のお客様レビュー
自殺した恋人の過去を求めて彷徨う主人公。 隣にいるべき人がいてくれさえすれば、過去など要らない。 過去が必要なのは、あるはずだった未来の代わりに、こぼれ落ちてしまった空白を何かで満たさずにはいられない、切実な喪失感からだと思う。 知れば知るほど自分の知らなかった過去が掘り起こ...
自殺した恋人の過去を求めて彷徨う主人公。 隣にいるべき人がいてくれさえすれば、過去など要らない。 過去が必要なのは、あるはずだった未来の代わりに、こぼれ落ちてしまった空白を何かで満たさずにはいられない、切実な喪失感からだと思う。 知れば知るほど自分の知らなかった過去が掘り起こされる。 けれど、それは主人公が恋人のことを知らなかった、ということにはならない。 本当に繋がっている者同士においては、たとえそれが虚構(あるいはその人の一部)であったとしても、相手が自分に見せている部分が、その人が与えたかったものの全てなのだから。 ましてそれを貫き通したまま去っていったのであれば、それこそが相手の本質、最も大切な真実なのだと思う。 だからこそ死者の気持ちを代弁するのは不粋に過ぎる。としても、敢えて最後に香水を送った気持ちを想像で補完するならば。 語ることのなかった過去の全てを、言葉にすれば嘘になってしまう種類のものを、自分にとって唯一真実に値する、香りという形で主人公に贈りたかったのだろうか…。 それだけでもう、あぁこの人は心から愛されていたのだろうな、と、そんな風に思う。
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丁寧な描写で死んだ恋人の過去を探っていく作品。 日本での話とプラハでの話が交互に来ていて、少しずつ自分の知らなかった恋人の姿が明らかになっていく構成。 自分が過去を偽られていたという虚しさや自分の知らない過去を知っている人が居るという嫉妬心を決して激情するわけではなく静謐に描き出...
丁寧な描写で死んだ恋人の過去を探っていく作品。 日本での話とプラハでの話が交互に来ていて、少しずつ自分の知らなかった恋人の姿が明らかになっていく構成。 自分が過去を偽られていたという虚しさや自分の知らない過去を知っている人が居るという嫉妬心を決して激情するわけではなく静謐に描き出していた。本当にこの人は日本語が綺麗。 最後まで読んでも、自分が教えもしなかった過去を何故香水に込めて贈ったのかは分からなかった。読み直したら何か分かるんだろうか…?
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※このレビューにはネタバレを含みます
母の期待に応えるべく頑張ったあげく、押しつぶされ、逃げた息子。息子が全てでの めり込み、精神をやんでいる母。兄も母も見捨てず尽くす弟。愛した男に自殺され、原因を探るうち、男のことを何もしらなかったと気づかされる主人公。 みんな悲しい。何だか歪んでいる。 これがほんとだよ、変わっているのは貴方かも知れないよ、と言われているような、淡々とした文章。小川洋子の作品は、いつもそんな気分にさせられる。
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