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火の山(下) 山猿記 講談社文庫
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火の山(下) 山猿記 講談社文庫

津島佑子(著者)

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火の山(下) 山猿記 講談社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社/
発売年月日 2006/01/12
JAN 9784062752978

火の山(下)

¥220

商品レビュー

4.3

11件のお客様レビュー

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2024/12/15

勇太郎は大学で物理学を専攻し、学問の世界に生きることをめざすものの、日本を取り巻く国際情勢が悪化していくなかで将来の見通しを立てることができません。さらに終戦後も、大学に居場所はあるものの、急激なインフレのために生活がままならず、悩みは尽きません。 勇太郎のすぐ上の姉である桜子...

勇太郎は大学で物理学を専攻し、学問の世界に生きることをめざすものの、日本を取り巻く国際情勢が悪化していくなかで将来の見通しを立てることができません。さらに終戦後も、大学に居場所はあるものの、急激なインフレのために生活がままならず、悩みは尽きません。 勇太郎のすぐ上の姉である桜子は、婚約者の松井達彦が軍に召集されて連絡がとれないまま、勇太郎を支えます。そんななか、思いがけず達彦が帰還し、桜子は松井家に嫁いで子どもをさずかるものの、病に犯されてこの世を去ります。 国語教師だった笛子は、画家の杉冬吾のもとに嫁ぎ、彼を献身的に愛するようになります。戦中から戦後にかけて日本中が物質的に窮乏していた時代にも、勇太郎には乱費とも思える冬吾の生活ぶりは変わらず、その作品が評価されたことで冬吾の暮らしぶりはますます乱脈をきわめ、死へと突き進んでいきます。 激動の時代を生き抜いてきた家族の物語としてまとまろうとする、求心性の強さが印象的です。本作は、連続テレビ小説『純情きらり』の原案ということで、そこで要求されていることに的確におうじる著者の技量には関心させられますが、比較的数すくない主題をじっくり追求する著者の作品群のなかにおいて見ると、刺激に乏しいという感想をいだいてしまいます。

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2024/05/16

6代の物語である。下巻は山梨で空襲にあい、その先祖代々の家がなくなり、東京の江古田やそれ以外の所に移るという家の問題である。記録を書いている勇太郎が妻と一緒に米国に行っているが、そこのところの記録は書かず、米国に旅立つところで記録は終わっている。生まれては死にまた生まれては死にの...

6代の物語である。下巻は山梨で空襲にあい、その先祖代々の家がなくなり、東京の江古田やそれ以外の所に移るという家の問題である。記録を書いている勇太郎が妻と一緒に米国に行っているが、そこのところの記録は書かず、米国に旅立つところで記録は終わっている。生まれては死にまた生まれては死にの繰り返しである。

Posted by ブクログ

2023/02/25

凄まじい大作だった。 上巻では、津島佑子らしくない創造力で意外性を見たが、後半は正に女性讃歌の一冊だった。 有森家の女衆の1人、桜子の魅力が物語を牽引している。彼女の顛末に関しては本作はおろかここ最近数作の中のハイライトだと思った。

Posted by ブクログ