デス博士の島その他の物語 未来の文学

ジーン・ウルフ(著者), 浅倉久志(訳者), 伊藤典夫(訳者), 柳下毅一郎(訳者)

• 販売会社／発売会社: 国書刊行会/
• 発売年月日: 2006/02/10
• JAN: 9784336047366

商品レビュー

2024/08/13

ファンタジー色が強いかと思いきや突如SF的世界が立ち上がる―ということは表題作を読んでわかったので、それ以降も何とか読み進めてはみたものの、主人公の主観に基づく―つまり目に見えている世界の描写（しかもそれがどうにも不安定）がどうにもわかりづらくて作品に没入できず、どうやっても愉しむことができない、

読んでいるうちに作品の方が此方を拒絶しているんじゃないかとすら思えてくる。でもってこの作品を愉しめない自分のアタマが悪いと言われてるような気も。

残念ながらこの作家の面白さが自分には殆んどわからなかった。

2019/02/10

デス博士の島その他の物語 (未来の文学)。ジーン ウルフ先生の著書。私はSF小説が好きで今までたくさんのSF小説を読んできたけれど、こんなに難しくて考えさせられたのは初めて。単純なSF小説ではなくて、奥が深いSF小説を読みたい人には自信を持っておすすめできる一冊です。

2019/01/12

収録されている中で「アイランド博士の死」と「アメリカの七夜」が比較的分かりやすくて面白かった。信頼できない語り手を利用した読書の面白さを生み出していると思う。再読してみると発見が多そう。

「眼閃の奇蹟」はオズの魔法使に、「デス博士の島」は絵本に救いを求めて現実とフィクションが溶け合っていくのだが、その感覚が読んでいて心地良い。これは物語や空想に現実の辛さを救われたことがあるのなら多分わかると思う。

本全体を通して色んな楽しみ方ができた。きちんと理解はできなかったが……(難解だった)。ディケンズの引用にもオズの魔法使のキリスト教的価値観にもピンと来ないので……。