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安徳天皇漂海記
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安徳天皇漂海記

宇月原晴明(著者)

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安徳天皇漂海記

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社/
発売年月日 2006/02/25
JAN 9784120037054

安徳天皇漂海記

¥220

商品レビュー

3.8

33件のお客様レビュー

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2024/05/05

幻想文学として素晴らしく読み応えのある物語だ。平家物語で海中に身を投げた安徳天皇を軸に、鎌倉幕府三代将軍であり歌人でもある右大臣実朝が前編、東方見聞録のマルコポーロが後編で絡んでいく、その構成だけ見てもなんとも幻想的である。 正直、〜でございます、という文語体で書かれる前編は読み...

幻想文学として素晴らしく読み応えのある物語だ。平家物語で海中に身を投げた安徳天皇を軸に、鎌倉幕府三代将軍であり歌人でもある右大臣実朝が前編、東方見聞録のマルコポーロが後編で絡んでいく、その構成だけ見てもなんとも幻想的である。 正直、〜でございます、という文語体で書かれる前編は読みづらくてしょうがないが、実朝の詠んだ歌を上手く物語の設定に沿って配置するなど、手が込んでいて、徐々に盛り上がってくる。 口語体となる後編では一気に幻想が花開く感があり、どんどん読み進められる。 参考文献に太宰治の「右大臣実朝」と澁澤龍彦の「高岳親王航海記」とあるのも胸熱。

Posted by ブクログ

2017/11/17

かなり史実に基づきながらも怪異譚と混ざり合った形で,二人の幼い皇帝の死を傷んでいる.安徳天皇に対する実朝の関わり方は独創的で,前半の実朝の滅びに向かって静かに歩んでいるかのような態度は,そういうことだったのかと説得力があった.後半のマルコ・ポーロ編は元寇に安徳天皇が絡んでくるなど...

かなり史実に基づきながらも怪異譚と混ざり合った形で,二人の幼い皇帝の死を傷んでいる.安徳天皇に対する実朝の関わり方は独創的で,前半の実朝の滅びに向かって静かに歩んでいるかのような態度は,そういうことだったのかと説得力があった.後半のマルコ・ポーロ編は元寇に安徳天皇が絡んでくるなど,驚きの事実?そして,神話の水蛭子の哀しみに思いを馳せて唐突に終わる.かなりユニークで面白かった.

Posted by ブクログ

2016/01/10

亡国、流亡、衰亡、滅亡、興亡、亡者…。読んでいるあいだ、「亡」という文字がずっと頭の隅に引っかかっていた。歴史の中で浮かんでは消える「亡」とはなんなのか、伝奇ものならではの手法でみごとに描いている。お薦め。

Posted by ブクログ

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