「健康によい」とはどういうことか ナラエビ医学講座

斎藤清二(著者)

• 販売会社／発売会社: 晶文社/
• 発売年月日: 2005/10/15
• JAN: 9784794966674

商品レビュー

2010/05/28

いろいろ勉強になりま…

[文庫ＯＦＦ]

いろいろ勉強になりました。医学や健康に興味のある人に、オススメ。

2024/10/06

医療関係の知識がない自分でもサクッと読める本でした。教授(著者の斎藤先生)と生徒の愛ちゃん、誠くんの3人の対話で解説されていくスタイルです。

どちらかといえば医療従事者向けの本かと思いますが、患者側の人にも一読をおすすめできます。
健康論を唱えていくのではなく、『医療』という活動への向き合い方、症状・治療等の吟味、患者さんとの対話についてなどを時に哲学っぽくなりつつ平易に解説していく内容です。

副題に『ナラエビ医学講座』とあるように、
NBM(ナラティブベイストメディスン)
=科学的根拠にもとづく医療
EBM(エビデンスベイストメディスン)
=患者の物語にもとづく医療
についてを特に中心的に解説しています。

この本自体は2005年のお話なので、現在(2024年)この論拠についてどう扱われているかは存じ上げませんが、一通り読んだあとの簡潔的な感想は「この二つは矛盾することなく相互に作用、もしくは補完しあえる」と思いました。たしかに矛盾もはらんでいるのかも…とは思いましたが。少しだけ医療に取り組んでいる方への目線、そして巷に溢れている健康本への見方が変わりました。良い本だと思います。

2012/02/17

「検査の結果、原因は不明です。」
と
「検査の結果、重大な病気の可能性は非常に低いということがわかりました。」

どちらで言われたいか。

「5年間毎日飲むと、33人に１人、脳卒中を予防できる薬がある。」
は、言い換えたら、
「33人中32人は、薬を飲んでも飲まなくても同じ。
薬の医療費は確実にかかる。副作用だってゼロではない。」

だったら、薬を飲むか、飲まないか。

解釈の仕方によって、事実自体の意味も変わってくる。
だから、その場でもっとも有効な解釈を採用すればいい。
そしてそれを患者にどう説明するかが、
医者の腕の見せ所である。