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津村節子さん、吉村昭さん経由wで読み始めた作家さん、吉村昭さんとの苦労や亡くなったとき、没後の私小説、エッセイを読んできました。読み応えのある作品、ファンになりました。「土恋(つちこい)」、2005.10発行、著者77歳の作品、瑞々しさが溢れています。佐渡の旅館に生まれたみほが1...
津村節子さん、吉村昭さん経由wで読み始めた作家さん、吉村昭さんとの苦労や亡くなったとき、没後の私小説、エッセイを読んできました。読み応えのある作品、ファンになりました。「土恋(つちこい)」、2005.10発行、著者77歳の作品、瑞々しさが溢れています。佐渡の旅館に生まれたみほが11年上の陶芸家に嫁ぎ苦労しながら4人の娘を育て、長女美子が後継ぎを志す物語・・・、古いしきたり、風習などを織り交ぜながら・・・。昭和初期に生まれた作家しか描けない世界になっていくのではないかと思いました。感動の作品です!
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津村節子は久しぶり。相変わらずの落ち着いた筆致だった。 世阿弥が流された佐渡から新潟の窯元に嫁いで5人の娘を生んだみほ。借金だらけで苦労を重ねながら夫は使いやすい生活の器を生み出し続ける。 生活器を愛する民芸家の支えもあり、1軒だけの庵地焼きの北野窯は辛うじてなりたっていく...
津村節子は久しぶり。相変わらずの落ち着いた筆致だった。 世阿弥が流された佐渡から新潟の窯元に嫁いで5人の娘を生んだみほ。借金だらけで苦労を重ねながら夫は使いやすい生活の器を生み出し続ける。 生活器を愛する民芸家の支えもあり、1軒だけの庵地焼きの北野窯は辛うじてなりたっていく。そこに現れるのは一刻者の夫啓一を慕って弟子入りした若者の健作。その若者に長女美子はほのかな恋心を抱くのだ。 モデルがあるとのこと。新潟県安田町の庵地焼きの旗野窯だそうだ。 みほの結婚前の陶芸家との出会いが後半に絡まなかったのはちょっと残念だった。 作成日時 2007年07月25日 18:47
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新潟で代々続く窯元へ嫁いだ女性の物語。 戦後、シベリアから戻ったという、 窯元の跡取り息子と見合いをしたみほは、 窯元での暮らしを理解せずに嫁に入るのだが、思っていたよりも不安定な収入で、生活は苦しく、借金を背負うことになる。 陶器を焼くための薪も買えない状態で、 おまけに、...
新潟で代々続く窯元へ嫁いだ女性の物語。 戦後、シベリアから戻ったという、 窯元の跡取り息子と見合いをしたみほは、 窯元での暮らしを理解せずに嫁に入るのだが、思っていたよりも不安定な収入で、生活は苦しく、借金を背負うことになる。 陶器を焼くための薪も買えない状態で、 おまけに、詐欺にもあい、散々な日々。。。 それでも、みほは、 自分の着物を売って生活費をやりくりし、 夫を励ますのだった。 何をしても裏目に出る不運な夫婦だったが、 それでも、少しずつ道が開けていく。 実際にモデルがあって、それを基本にしているので、 陶芸の創作過程も詳しく描かれているし、 戦後の人々の暮らしや、新潟の風景も織り込まれ、 不幸な出来事から、立ち上がっていく2人の姿が、心に迫ってくる。 陶芸への愛、家族への愛が描かれ、美しい物語だと思った。
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