イスラームの根源をさぐる 現実世界のより深い理解のために

牧野信也(著者)

• 販売会社／発売会社: 中央公論新社
• 発売年月日: 2005/05/10
• JAN: 9784120036392

商品レビュー

2025/02/15

1. イスラームという語の意味
- イスラームは、固有名詞として認識されているが、元々は一般名詞としての意味を持っていた。
- イスラームという言葉の意味を探ることにより、この宗教の根本的な特徴の一つを明らかにすることができる。

2. イスラームとアラビア語の関係
- イスラームとアラビア語は、他の宗教と比べて非常に密接な関係にある。
- イスラームの経典である『クルアーン』はアラビア語で書かれており、すべての宗教的な事柄もアラビア語で表現される。

3. イスラームの信仰の本質
- イスラームは、神アッラーへの絶対服従を基本とする信仰である。
- 信者は、唯一絶対の神アッラーの前で自己を完全に放棄し、他力の信仰を持つ。

4. イスラームの社会的背景
- イスラームは、商業や都市の発展と結びついており、商業的な価値観が宗教に反映されている。
- イスラームの教義には、商業活動に基づいた倫理観や道徳が含まれている。

5. メッカ時代とメディナ時代の違い
- メッカ時代は神の厳しい正義と怒りが強調され、終末論的な実存感が支配していた。
- メディナ時代には、神アッラーの慈愛と恵みが強調され、信者に対する報いが明確に描かれるようになる。

6. 人間と神の関係
- イスラームでは、人間は神アッラーの奴隷とされ、神への絶対的な服従が求められる。
- この関係は、主人と奴隷という形で具体化されており、人間の存在意義がアッラーとの関係に基づいている。

7. イスラームの倫理的側面
- アッラーは倫理的な存在であり、正義と善意を持つ神として描かれる。
- 人間は、神の倫理的行為に応じて行動することが期待され、倫理はイスラームにおいて重要な要素である。

8. 偶像崇拝の否定
- イスラームは、偶像崇拝を最大の罪として厳しく否定し、アッラーの絶対的な唯一性を強調する。
- 偶像崇拝は、自己の内面的な貧困化を招くものであり、神に対する真の信仰を妨げる。

9. アッラーの全能性
- アッラーは現世と来世を支配する絶対的な存在であり、すべての創造物に対して支配力を持つ。
- 人間の存在はアッラーから与えられたものであり、その存在の根源は神であることが強調される。

10. イスラームの神秘主義
- スーフィズムは、イスラームにおける神秘的な側面を探求し、多層的な現実理解を提供する。
- 人間の心は、表面的な意識から深層にわたる多層的な構造を持っており、現実の深い領域にアクセスすることが可能である。

2007/02/16

大学の図書館で探した時、イスラムについての入門書として一番良さそうだと思った本。時間ができ次第読みたいなぁ。。

2005/09/24

コーラン＝クルアーン
スンニー派：現実を重視し、形式を尊重する。
シーア派：精神性、内面性を重視する。
ｽｰﾌｨｽﾞﾑ(ｲｽﾗｰﾑ神秘主義)５つの魂(意識）
?「命令する魂」感覚、情欲の場
?「批判する魂」理性、良心の場
?「安定した魂」静謐の場
?「幽玄の場」深い幽玄の場
?「秘密の魂」聖なる秘密の場、無意識の深み