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世相でたどる日本経済 日経ビジネス人文庫
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世相でたどる日本経済 日経ビジネス人文庫

原田泰(著者)

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世相でたどる日本経済 日経ビジネス人文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本経済新聞社/
発売年月日 2005/06/01
JAN 9784532192969

世相でたどる日本経済

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2007/08/20

 自由主義経済をよしとする経済学者の見る江戸、明治、戦時中(原田は自由主義経済があった1930年代とそれ以後を戦時統制経済として分けて考えている)その経済と世相、映画による世相の歴史。といって堅苦しい「研究」書ではない。といって、典型的な反戦史ではない。むしろ戦争への無謀さを労働...

 自由主義経済をよしとする経済学者の見る江戸、明治、戦時中(原田は自由主義経済があった1930年代とそれ以後を戦時統制経済として分けて考えている)その経済と世相、映画による世相の歴史。といって堅苦しい「研究」書ではない。といって、典型的な反戦史ではない。むしろ戦争への無謀さを労働人口と当時の生産性、産業構造、輸入依存度から診断している。  意外な事が随所に指摘してあって、かなり面白い。1930年代の米国と日本の労働者の質的違いは、今の日本のプロトタイプとしての勤勉な労働者像は、30年代では、米国の労働者像と重っているというさりげない指摘、 これは多くの論者が指摘するところであるが、浜口雄幸総理、井上準之助蔵相による金本位制へ旧平価にて復帰と緊縮財政によるデフレ不況の経緯、世界恐慌からデフレ不況からの高橋是清による積極財政、日銀による国債引受による不況からの劇的な経済復活、GNPが急成長していた昭和恐慌(完全雇用下での財政支出の増大、民間の消費減少、農業の犠牲、農業と工業の交易条件の低下、78,7から94,6<30年>、GNPの構成は、農林水産業はGNPの2割を占め、就業者人口の5割弱を占めていた。)も興味を引くところであった。  「今日の日本人は、人口問邁の深刻さを忘れてしま ったが、池田勇人首相のブレーンであり、高度成長 経済を演出したエコノミストである下村治氏は、一 九三〇年(昭和五年)ごろの日本の状況を振り返 り、六〇年代の中ごろに次のように述べている。    当時の困難な社会、経済、政治の問題すべての根底にあったのは人口過剰という問 題でした。とくにそれを集約的に表していたのが農村問題です。農村の生活水準の低 さ、都市における失業問題、その失業者の帰農による農村生活の困難の加重が、国民 多数の心を圧迫した社会的、政治的な問題であり、そういう問題に押されて、政治情 勢か混迷に陥り、歴史全体が思わざる方向に押し流されるという結果になったので す。当時共産主義的な左翼運動の勢いが急速に高まったのはそのためですし、右翼的 な冒険主義の動きが力を強めたのもそのためです。  つまり、当時の状況のもとでは、右と左を通じて、人口過剰の状態を、経済のメカ ニズムの中で内部的に解決することはできないと思ったわけです。資本主義体制を崩 すことがその解決であると考えた人は左に行き、領土の狭いことが悪いのだと思った 人は右に走ったわけです。そして、この後者の考えが、やがてその後の日本の運命を 決定的に左右することになったのです。  しかし、それらはまったくの錯覚でした。当時六〇〇〇万から七〇〇〇万にすぎな かった日本の人口は、今日では一億近くになっていますが、それでもなおかつ人手不 足状態です。しかも領土といえば明治初年に逆戻りする始末です。そういう狭い国土 で、資本主義的自由経済のもとに、われわれは今日現に人手不足になっている。これ こそ日本経済においても画期的歴史的な現象だと考えるべきだと思います(一部省 略)」(『私の日本経済論2』日本経済新聞社、一九六六年)

Posted by ブクログ

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