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御書物同心日記 虫姫 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2005/06/14 |
JAN | 9784062751155 |
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
出久根さんの本は、何故か肌触りの悪さみたいなものを感じることが覆いのですが、これは殆どそんなことが無かったですね。なかなか良い出来です。 一つには古本屋・小泉屋の娘・おしんの存在が大きくなった所為かも知れません。話全体に少し色気が出てきたのが良かったのかな。 あまり高い評価は...
出久根さんの本は、何故か肌触りの悪さみたいなものを感じることが覆いのですが、これは殆どそんなことが無かったですね。なかなか良い出来です。 一つには古本屋・小泉屋の娘・おしんの存在が大きくなった所為かも知れません。話全体に少し色気が出てきたのが良かったのかな。 あまり高い評価はしていませんが、一気に読み終えました。
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将軍家の蔵書を管理する小役人・東雲丈太郎の周りで生じる事件簿。ささやかないざこざかな。どこか頼りなげでいて芯のある主人公の設定は梶よう子さん、ほのぼのと心暖まる展開は伊藤桂一さん、江戸情緒をきっちり伝える台詞や情景描写は故杉本章子さん、それぞれの作家と作風が通じる。糶取師の新六は...
将軍家の蔵書を管理する小役人・東雲丈太郎の周りで生じる事件簿。ささやかないざこざかな。どこか頼りなげでいて芯のある主人公の設定は梶よう子さん、ほのぼのと心暖まる展開は伊藤桂一さん、江戸情緒をきっちり伝える台詞や情景描写は故杉本章子さん、それぞれの作家と作風が通じる。糶取師の新六は、後々の事件にも絡んでくると確信したけど消えていった。不浄門前の櫓で憑かれたその真相は?黒いものの正体は?知れず。喜助の娘・しんと丈太郎ってあれで終わりなのかぁ。住み込み番頭の新三郎は振られたってことだよね。出久根小説ではこのユルさを楽しまねばならんのよ。
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それでも、退屈至極な日々はつづく……。将軍家の蔵書番、御書物同心の「退屈至極な日々」を描いた大好きなシリーズの第3弾。 前作に続きこの《虫姫》でも、丈太郎は「本の虫」に似つかわしからぬ勇猛な一面を見せる一方(「虫姫」「州崎」)、恋愛については相変わらずの奥手ぶりが微笑ましい(「...
それでも、退屈至極な日々はつづく……。将軍家の蔵書番、御書物同心の「退屈至極な日々」を描いた大好きなシリーズの第3弾。 前作に続きこの《虫姫》でも、丈太郎は「本の虫」に似つかわしからぬ勇猛な一面を見せる一方(「虫姫」「州崎」)、恋愛については相変わらずの奥手ぶりが微笑ましい(「鷽替」)。 このシリーズ、けっきょく事件らしい事件はなにひとつ起こらない。事件というよりもそれは、市井のひとびとの日々にポツンとついた「しみ」のような出来事にすぎない。けれども、読み進むにつれて登場人物のひとりひとりがそれぞれ、心の裡になにがしかの《なぞ》を隠したミステリアスな存在に思えてくるのがおもしろい。ひとの心の奥底に秘められた《なぞ》は、あるとき不意に顔をのぞかせることもあるが、むりやり暴き立てたり解き明かしたりしないほうがよい類いのものなんじゃないだろうか?というのも、「安穏さ」とは、その「暗黙の諒解」の上にあってはじめて成立しうるものだと思うからだ。だから、丈太郎を取り巻く世界の節度をもった「安穏さ」が、ときにとても美しく、かけがえのないものに映るのだろう。
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