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カラー版 絵の教室 中公新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2005/12/20 |
JAN | 9784121018274 |
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カラー版 絵の教室
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商品レビュー
4.1
17件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ふと、安野さんの絵が見たくなって、でも大きな版を持ち歩くのもなんだしと、新書版の本書を図書館で借りてみた。 タイトルとは裏腹に、絵の描き方、ノウハウは教えてくれない。絵とはなにか、絵を描くとはなにかを、あれこれ語ったエッセイ的な体裁だ。 NHK人間講座「絵とイマジネーション」という番組で語ったことを元にして書物に再構成されたものらしい。 なので、本としてまとまっているかという、むしろ全然で、安野さんファンじゃなければ、たぶんつまらない本なんじゃないかと心配になる。 それでも、写真が光と影の概念に余計な示唆を与えたといった歴史的な考察や、線を描くことで - 自然界には人が描くような線は存在しないのに ー 人は対象をひとつの概念として捉える等々、哲学的な思索など、折々に、著者の絵に対する、あるいは芸術との向き合い方といったものが記されていて興味深かった。 文章は斜め読みで、ときどき差し挟まれる著者の絵のタッチを眺めるだけでも気分が休まる。 一時、ほっこりさせてもらった。
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NHK人間講座「絵とイマジネーション」をもとに書かれたもの。写真、遠近法、実際の画家を映した映画、ゴッホの生き方というものなどを手掛かりにしたり、実際にスケッチしたり、自画像を描いたりしたりしながら、イマジネーション(想像力)というものを考えている。見たものを写真のように描くこと...
NHK人間講座「絵とイマジネーション」をもとに書かれたもの。写真、遠近法、実際の画家を映した映画、ゴッホの生き方というものなどを手掛かりにしたり、実際にスケッチしたり、自画像を描いたりしたりしながら、イマジネーション(想像力)というものを考えている。見たものを写真のように描くことや遠近法を厳密に守って描くこと、刻々と変化するものを一瞬として捉えるのと時間の流れの中で視点も移動しながら全体として描くのを比較したりなどと、いろいろな観点から考えているが、結局は描く人の内からの衝動(ミューズ!?)が大切だということなのだろう。絵画鑑賞の本ではなく、絵を描く人のためのものだね、やっぱり。 ゴッホについての章は力が入っている。著者が好きなんだろうな。ゴッホは赤い靴を履かされて「死ぬまで描き続けよ」という内面の叫びのままに一生描き続けた人なのだ。
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基礎がないと応用はできない。そんな当たり前なことは意外に理解できていないことなのかも知れない。 例えば、ピカソの絵を見て「俺にもこんな絵描ける!」って思うことは1度はあるだろうが、実際彼のデッサンを見るとまぁ普通に上手いわけ。笑 このように基礎の上に応用、つまり創造性やイマジ...
基礎がないと応用はできない。そんな当たり前なことは意外に理解できていないことなのかも知れない。 例えば、ピカソの絵を見て「俺にもこんな絵描ける!」って思うことは1度はあるだろうが、実際彼のデッサンを見るとまぁ普通に上手いわけ。笑 このように基礎の上に応用、つまり創造性やイマジネーションが成り立つ。基礎もないのにそれらは成り立たない。 この本で著者は、基礎である技術を磨くことに拘泥するあまり、創造性を放棄することを危惧している。(どちらも必要だということ) 一般的に本物のように描く写実的な絵が「上手い絵」とされるが、本当にそうなのか? 遠近法を用いた絵は現実に近いから「上手い絵」なのか? そうではなく、自分の感性に従って描くべきで、本書では「直感的に絵は進んでいきます。よく考えてみると、誰の命令でもなく、知らず知らずのうちに進行して、絵になっていくのです。」と述べており、″ミューズのしわざ″と表現している。 絵は創造性を発揮できる行為そのものであり、それによって豊かな感受性を獲得し、豊かな世界を生きることに繋がるんじゃないかなぁ。 幼少期の豊かな感受性を取り戻さないとね。 【メモ】 David Hockneyの『絵画の歴史』と内容的に被る箇所があって復習になった。特に、ドゥーラーの遠近法の説明が詳しくなされていて、本書で補足できる。 「写実」と「事実」の違いは今まで盲点だった。 描こうとすると、モノの仕組みを考えようとする。これを考えると、レオナルドが狂気的な好奇心を持って人体解剖や観察を行ったわけにも納得する。
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