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フラジャイル ちくま学芸文庫
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フラジャイル ちくま学芸文庫

松岡正剛(著者)

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フラジャイル ちくま学芸文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2005/09/10
JAN 9784480089359

フラジャイル

¥935

商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

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2024/06/16

メビウスの帯のような本だと思った。たしかに大筋で見れば「弱さ」を考察した大著だが、その内実を負えばそんな行儀の良い読者を平気で置いてけぼりにして、いまで言うところの「多様性」を発揮……というか盛り沢山。古今東西の文献からサンプリングされた蘊蓄が並び、かと思いきや著者の私的な体験が...

メビウスの帯のような本だと思った。たしかに大筋で見れば「弱さ」を考察した大著だが、その内実を負えばそんな行儀の良い読者を平気で置いてけぼりにして、いまで言うところの「多様性」を発揮……というか盛り沢山。古今東西の文献からサンプリングされた蘊蓄が並び、かと思いきや著者の私的な体験がエッセイ風につづられ、いったいなにを読んでいるのかだんだんわからなくなる。言うまでもなく知識の「遊」びの強度としてこれに勝る本はそうないだろう。だが同時にこの「迷」(マヨイガ?)の愉楽の強度・凄みに読み終えたあとも呆然としてしまう

Posted by ブクログ

2022/12/31

松岡正剛の著作を制覇したい。 めちゃめちゃ面白かった。 強い/弱いを優秀/劣等ではない軸に置き直して議論した文章。揺らぎのある"弱さ”の方が豊かで物語性に富んでいることは自明のように思って、議論する余地があるのか疑問に思っていたが、確かによく紐解いてみると、差別や人間の...

松岡正剛の著作を制覇したい。 めちゃめちゃ面白かった。 強い/弱いを優秀/劣等ではない軸に置き直して議論した文章。揺らぎのある"弱さ”の方が豊かで物語性に富んでいることは自明のように思って、議論する余地があるのか疑問に思っていたが、確かによく紐解いてみると、差別や人間の起源や制度や楽しみの起源につなげることができる面白いテーマだった。「動物の赤ちゃんが可愛いのは庇護欲をそそるから」をもっと掘り下げることができる。構成能力すごい。特に被差別の話を健常に近い筆者が自由に論じている部分に憧れた。精神障害とニューロンのパターン、癩病者が差別を受けながらもネットワークを作ったこと、相対的な弱さを設定することで強さとの逆転が生じうる、欠けた者が力を持つ。確かに病弱への憧れ、ある。クリムトから始まったファッションモデルの細さ信仰にもつなげることができるだろうか。踊りや神輿担ぎのふらつきを模した足取りと、歩行困難性、片足、シンデレラの片靴をつなげる部分は鮮やかだった。シンデレラの場合、今シンデレラのイメージとされている可憐さや魔法や豪華さはむしろ(子供に届ける)"方法"の方だったのかな? シャーマニズムや、此岸から彼岸を覗き見る場についての記述が通底していたのもすご〜〜く好きだった。呪術と現代社会を切り離して考えてしまうことが多いが、綱引きの綱のつながり、一夜の遊女のイメージとして、お祭りとかお参りとかで区分けされてない日常の中のダブルイメージを想像できてよかった。辻・門・境目・夕占・杖・呪文・ここと向こうの感覚も非常に普通なものだったんだろうな。 科学と文化をなめらかに行き来できるのが本当に気持ちいい。 あと普通にONE PIECEやらあんスタやらの現代エンタメのリファレンス先も見つけたようで嬉しかった。 筆者は本当に名伯楽で、この人が評価することで色々なものがジャンルを超えて場に並ぶことができる。素晴らしい。 定着よりも遷移を。勝者の歴史(histoire)より敗者の物語(histoire)。忘れた後にも残るモヤを。 もう一回読みたい本。

Posted by ブクログ

2022/02/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2年ぐらい前からレコメンされてたんだけど引用や例えが馴染みのないものが多くて、ググりながら読んでいたからかなり時間がかかってしまったけどやっと読了。弱さや弱点を持つ全ての人に読んで欲しい一冊。 思っていたことが言語化されていて、さらにその奥の奥まで言及されていてた。95年に書かれた本書で指摘されていることが、今現在さらに進行していることもとても興味深い。 そして弱者/追いやられる側のアウトロー/やくざの成り立ちについても書かれていて、次に読もうしている現代やくさ肯定論に通じるタイミング感にも うわっ てなったし、やっぱ明治に入った辺りでそれまで機能していたものが色々ちぐはぐになったと思ってたけど、これを読んでさらにその思いが深まった。 2週目もまた必ず収穫がある一冊。

Posted by ブクログ

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