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「資本」論 取引する身体/取引される身体 ちくま新書
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「資本」論 取引する身体/取引される身体 ちくま新書

稲葉振一郎(著者)

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「資本」論 取引する身体/取引される身体 ちくま新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/
発売年月日 2005/09/10
JAN 9784480062642

「資本」論

¥220

商品レビュー

3.2

9件のお客様レビュー

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2017/09/13

労働力以外に売るものを持たない人々を「剥き出しの生」として扱われることから守るためには、労働力という人的資本の所有者とみなす擬制に基づいて、社会のセーフティ・ネットを基礎づけようとする試みです。 本書の議論は、ホッブズやロック、ルソーによって論じられ、ヒュームによって批判された...

労働力以外に売るものを持たない人々を「剥き出しの生」として扱われることから守るためには、労働力という人的資本の所有者とみなす擬制に基づいて、社会のセーフティ・ネットを基礎づけようとする試みです。 本書の議論は、ホッブズやロック、ルソーによって論じられ、ヒュームによって批判された「自然状態」という概念や、アダム・スミスによって論じられた「市場」、さらに「資本」と「労働」の関係について論じたマルクスらの仕事を解説するという形で進められていきます。著者は、ホッブズとロックの「自然状態」の理解の相違を、エコロジカルな条件の相違によって一つの見取り図の中に位置づけようとします。さらに、ヒュームの「コンヴェンション」やスミスの市場といった概念をも、同じように生態学的な条件の遷移のうちに取り込んでいきます。 マルクスは『資本論』において、資本の生成と運動のメカニズムを解き明かそうとしました。史的唯物論は、こうしたマルクスの思想に基づいて、資本主義社会の歴史を弁証法的に捉えようとする発想です。これに対して著者は、生態学的条件の遷移の中で資本主義の成立を位置づけるという非弁証法的な方法論に基づいて、労働と資本についての考察を展開していきます。 そしてここから著者は、マルクスの疎外論に抗して、「労働力=人的資本」に対する所有権を認めるということは、けっして克服されるべきものではないと主張します。それは、資本主義の生態学的な遷移を経て現実に根付いているものであるのだから、ヴァルネラブルな労働者の身体を守るための擬制と捉え、そのような財産権の主体として労働者を位置づける福祉国家を構想する方向へ進むべきだと論じています。 ゲーム理論にまったく不案内な読者としては、本書のような議論の筋道を通って市場や資本主義を説明することができるということが、非情に興味深く感じました。

Posted by ブクログ

2012/02/29

「自由な雇用労働が保証するのは、暴力や強制からの解放であって、健康で安全な生存ではない。」  はるか昔では社会ってのは資本(土地とか金とか)をベースに作られていて、そういった物を持つ人間のみが働き、そして生活する場だった。自給自足的な生活ではそれが一般的だった。そして、それ以...

「自由な雇用労働が保証するのは、暴力や強制からの解放であって、健康で安全な生存ではない。」  はるか昔では社会ってのは資本(土地とか金とか)をベースに作られていて、そういった物を持つ人間のみが働き、そして生活する場だった。自給自足的な生活ではそれが一般的だった。そして、それ以外の持たざる者は蚊帳の外だと考えられていた。国家は「人」ではなく「資本」の集まりだと捉えられていた。  それから時が過ぎ、産業の発展によって資本を一切持たない労働者階級が台頭してきた。そして市場経済が不動だった資本までもを動かすようになり、「所有」に関する考え方も大きく変わってきた。僕たちの労働には何らかの価値なり効果があるはず。その労働を所有している僕たちはそれをどう考え、どう扱うのか。  何も持たない私たちは、私たちが唯一持ちうる「私」という資本から始めなければならないのかもしれない。

Posted by ブクログ

2012/02/14

大澤真幸などこの世代の研究者に特徴的な叙述スタイル。というか、ナラティヴであろうとしてどこまでもモノローグがつづく。しかし、現実問題としてはニュース23や文字通り0のニュースZEROと内容は等しい。

Posted by ブクログ

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