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パンダの死体はよみがえる ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房/ |
発売年月日 | 2005/02/10 |
JAN | 9784480062208 |
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パンダの死体はよみがえる
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商品レビュー
3.5
17件のお客様レビュー
著者は科学博物館で長年動物の遺体を解剖してこられました。最初に出てくるのが巨大なゾウの遺体。動物園で死んだからと連絡があるのですが、あまり長くおいておくとくさってくるし、大きすぎてそのままは運べないし、とにかくまずは現場に出向いて解体作業から始まるのだそうです。ゾウは相当かたいら...
著者は科学博物館で長年動物の遺体を解剖してこられました。最初に出てくるのが巨大なゾウの遺体。動物園で死んだからと連絡があるのですが、あまり長くおいておくとくさってくるし、大きすぎてそのままは運べないし、とにかくまずは現場に出向いて解体作業から始まるのだそうです。ゾウは相当かたいらしい。そう簡単に切り刻めない。ところであのゾウの長い鼻、実は上唇が伸びているんだとか。ビックリです。次にはパンダの死体。熊の仲間ということで手の形はよく似ています。しかし食べるものが違う。熊は肉食で手で何かを握る必要もなく、するどい爪で獲物をしとめることができればいい。ところがパンダは笹を食べて生きるようになった。その手で器用に笹の葉をつかまえる必要がある。ヒトの手は5本指で親指と他の4本が向かい合う。だから何でもつまめる。ところが熊などの手の親指は他の指と向かい合っていない。ヒトの足の指と同じ。そこでパンダは考えた?6本目の指をつくったのです。元々あった小さな骨が発達してできたものらしい。ビックリです。それどころか、その6本目の指は定説としてすでにあったものですが、著者が調べたところ、その指だけでもうまくつかめない、実は7本目の指があったのだ、ということを発見したというのだからさらにビックリ。死んだ動物たちが私たちに何を語りかけてくれるのか。そのことばに少し耳を傾けてみてはいかがでしょうか。
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不器用なクマがなぜ竹を上手につかむパンダへ進化したのか? 5トンの巨体をささえ時速30kmで走るゾウの股関節はどんなしくみになっているのか? 動物遺体を解剖することでしかわからない「知」の最前線への案内書である。 「遺体科学」とは聞き慣れない言葉だが、もちろん学問的なジャンル...
不器用なクマがなぜ竹を上手につかむパンダへ進化したのか? 5トンの巨体をささえ時速30kmで走るゾウの股関節はどんなしくみになっているのか? 動物遺体を解剖することでしかわからない「知」の最前線への案内書である。 「遺体科学」とは聞き慣れない言葉だが、もちろん学問的なジャンルとして成立している概念ではない。「解剖学」や「動物学」を超えたところにある、著者の主張する学問分野だ。動物の死体を、あえて「遺体」というなまなましいことばで表現する著者の思い入れは、本書にたっぷり書いてある。遺体は人類共通の財産である。遺体に隠されている謎を解き、さらなる研究のために遺体を未来へ引き継いでいくのだという、著者の強烈な意志が、ビンビンにこちらにつたわってきて引き込まれてしまう。 冒頭いきなり、ゾウの遺体を解剖する著者のスプラッタな格闘シーンから始まるので、血に弱い人は覚悟が必要かも。でも、著者がまさに「体を使って」得た真実というのは、こちらに投げつけられたときの重さが違う。 剥製は不気味なもの、標本は退屈なもの、というこれまでの自分のイメージが、読後一変しているのを快く感じた。
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古本で購入。 この本のテーマは、「知の源泉たる遺体を集め、用い、保存する」という遺体科学の提唱。 物言わぬ動物たちの骸こそが、何より雄弁に隠した謎を明かす。 そのことを知り尽くした筆者の熱っぽい語りがいい。 ちょっとナルシシズムが感じられるのはご愛嬌かな? 一見すると理系寄...
古本で購入。 この本のテーマは、「知の源泉たる遺体を集め、用い、保存する」という遺体科学の提唱。 物言わぬ動物たちの骸こそが、何より雄弁に隠した謎を明かす。 そのことを知り尽くした筆者の熱っぽい語りがいい。 ちょっとナルシシズムが感じられるのはご愛嬌かな? 一見すると理系寄りっぽい内容だけど、そんなこともなく読みやすい。 遺体がもたらした知見の具体例の数も程良くて興味深く読める。 パンダの「第7の指」、優れた掘削装置としてのツチブタの足、退化したセンザンコウの下顎… 死臭の漂う遺体と向き合えば、それまで人類が知らなかったことが明らかになるというわけだ。 そして何より 「遺体は全人類共有の財産」「遺体の明日を議論したい」 っていうのは、いいな。 大きな問題提起だと思う。
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