先端技術者のためのトラブルシューティング技術 組込みシステムの品質問題をこの一冊で原因究明

金子龍三(著者)

• 販売会社／発売会社: 日科技連出版社
• 発売年月日: 2005/12/14
• JAN: 9784817191694

商品レビュー

2022/04/11

開発中止を上から言い渡され、市販品を使わされ、バグ取りに奔走させられる。よくある開発現場の状況を描写している。判断できない人が判断したことによるつけを、現場に追わせるのかもしれない。後追い不具合対策で手一杯になるのだろうか。本書では不具合対策で、原因究明の経験を、それなりに分類して説明してくれている。だいたい、思い当たる。きちんと書籍になっていることは嬉しい。おまけに、わかりやすい図表が入っているので、他人に説明する際にも役立つ。技術者で表現が下手な人がいると、誤解を受けることがある。ちゃんとした表現をしている本書を使って、自分が表現できないことは、他人の表現を見せることによって、解決していくのがよいと思いました。しばしば本書を薦めさせていただいています。

2010/01/07

問題発生時に問題点を突き止めるための手段が色々紹介されている…んだけど、組み込み向けの本なんで半分くらいはハードが絡んでて意味がわからない。

全般的にはちょっとわかり難いです。
各章末に練習問題があるんだけど...
「装置が漁業組合の事務所に売れた、特定の地方でのみ誤動作した、どのような要因が考えられるか？」
...それは俺にはわからないよ（；´д｀）

面白いのは、勘や経験から手当たり次第にあたる方法や、外からふらっと来た上司があれやこれやと思いつきで、言って来る（様に担当者からは見える）方法を、再現試験や、過去のバグ分類から類推する方法と同列（？）に並べて語っている点。

上司がやって来て「お前、あれやったのか？」「ここはどーだ？」ってやる事を「原因ストーミング」と言うらしい、名前付けるとそれっぽくなるなぁ～
技術者の過去の過ちや、技術レベルから類推して「技術者に対するレビュー」と言う見地で原因ストーミングすると多少効果的だとか…

勘と経験から適当にバグを当たって見るのはこんな時に有効とか書いてある本はあまり無いと思う。
タイミング問題や時限式の問題で再現だと条件が出しにくいし、品質管理をちゃんとやってない組織で、過去のバグ分類から類推できないしね…

学者さんじゃなくて苦労した人が書いてるんじゃないかな～
…ソフトウェア開発者としてはすごく役に立つってわけじゃないけどね。