デモクラシー・リフレクション 巻町住民投票の社会学

伊藤守(著者), 渡辺登(著者), 松井克浩(著者), 杉原名穂子(著者)

• 販売会社／発売会社: リベルタ出版/
• 発売年月日: 2005/07/01
• JAN: 9784947637963

商品レビュー

2013/10/24

新たな政治空間を創造

専門家や行政担当者そして住民が相互に向き合い、意見を異にしたとしても、相互に応答する空間を創造すること

既存の団体とは距離を置く

住民投票は現在進行しつつある日本の地域社会の構造変化と住民の生活意識や価値観の変容に深く関わっている

東北電力からの補助金
財政厳しい中で、原発の立地にともなう交付金や固定資産税が、財政構造の健全化と町政挽回の切り札
「開発」を期待する

新たに巻町に住居を定め新潟市などに通勤する人々は、旧来の地縁・血縁のしがらみが少ない。
居住年数が短い人ほど、原発建設に対して否定的な人多い

「西かん選挙」と揶揄される地縁血縁のしがらみと金券選挙で特徴づけられていた

リーダー層
・団塊世代の男性層
・三十代から四十代の女性層が中心

自己の意思を白日の下で表明することが、それまでの巻町の政治の作法の対極にあるものである

ローカルな決定がナショナルな決定と齟齬をきたしても、その解決はあくまでもローカルなものをナショナル・レベルで的確に捉え、再構成することが求められる

住民投票という言葉は、形式的には原発反対と言ってないので使いやすい

「原発慎重派」の候補が当選し、二期目に原発推進派に転ずると対立候補に破れる

原発賛成か反対かで地域づくりの方向性については対照的な志向

地域の問題を地域の人びとが考え行動するさいには、閉じるのではなく開くこと、外部の視線を借りていったん対象化することが有効性をもつ

朝日 住民投票賛成派
読売 住民投票反対派

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熟慮民主主義
市民がさまざまな政治的争点に対して「熟慮」する機構、空間、場を市民自身が組織する必要があるし、選挙という従来の制度のみならず、より民主的な制度の設計が欠かせない

人びとが熟慮する(熟慮を可能とする)メカニズムを構成することは、「デモクラシーを民主主義化する」ために不可欠なことがらなのだ

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