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「責任」はだれにあるのか(4) 人間学アカデミー PHP新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | PHP研究所/ |
発売年月日 | 2005/10/31 |
JAN | 9784569646275 |
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「責任」はだれにあるのか(4)
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商品レビュー
3.6
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何か不祥事が起こるた…
何か不祥事が起こるたびに責任追及の声が高まっている。政治家、企業、マスコミ、学校が悪い、と。だが、そもそも「責任」とは何か。正しい責任のとり方とは。人は責任をどこまで負えるのか。JR脱線事故やイラク人質の「自己責任」論争、「戦争責任」など公共的な問題から、男女、親子における個別の...
何か不祥事が起こるたびに責任追及の声が高まっている。政治家、企業、マスコミ、学校が悪い、と。だが、そもそも「責任」とは何か。正しい責任のとり方とは。人は責任をどこまで負えるのか。JR脱線事故やイラク人質の「自己責任」論争、「戦争責任」など公共的な問題から、男女、親子における個別の責任問題までを人間論的に考察。被害者―加害者というこじれた感情をどう克服するか。法や倫理では割り切れない「責任」の不条理性を浮かび上がらせる。「求められる責任」と「感じる責任」を真摯に追究した書。
文庫OFF
具体的な問題・事例に即して「責任」のありようを論じた第1部と、「責任」についての原理的な考察が展開されている第2部から成っています。 第2部の原理論では、「責任」が問題となるような状況が立ち現われてくる理由が、うまく言い当てられているように感じました。著者は、カントの責任論が近...
具体的な問題・事例に即して「責任」のありようを論じた第1部と、「責任」についての原理的な考察が展開されている第2部から成っています。 第2部の原理論では、「責任」が問題となるような状況が立ち現われてくる理由が、うまく言い当てられているように感じました。著者は、カントの責任論が近代的人間像を前提にしていることを指摘し、そこでの「責任」が行為の前には理性的な意志が働いているはずだという虚構に基づいていると論じています。人間が自由な存在だと認めることは、この虚構を採用することにほかなりません。しかしこうした責任理解は、あることにかかわった人びとの事後の感情からはじめて責任概念が立ちあがるという現実的・具体的な状況を織り込んでいないと著者は批判します。 われわれの実存は、未来を見積もるという意識構造をもっていると著者は考えます。「責任」という概念が成り立つのは、われわれの実存にとって未来がこのように「見積もり」として手許につねにたぐり寄せられて「ある」ことに基づいています。未来に対する「見積もり」は、いまだ確定しておらず、偶然的な事態が生じる可能性を否定することはできません。不定の未来、あるいは可能性や蓋然性としてしかありえない未来を、過去の条件から推測しつつあたかも「かくある」はずであるかのようにたぐり寄せて生きているというわれわれの実存のあり方を考慮するならば、あらかじめ客観的・普遍的な形で責任の範囲を確定することはできないと著者は述べます。そしてこうした理解に基づいて、われわれはただ、事が起きればことばによってある範囲確定をしなければならないという不条理なものだということをよく肝に銘じて、それを開かれた、共同的な生へ、よりよい生へ向かおうとする相互の配慮によって支えていかなければならないという主張が展開されています。
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結論的には、そんな凄いことは書いてないのだけど、なかなか突っ込みにくいところを、つついてくれる視点が素晴らしいですね。
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