裏のハローワーク

草下シンヤ(著者)

• 販売会社／発売会社: 彩図社/
• 発売年月日: 2004/06/13
• JAN: 9784883924332

商品レビュー

2025/08/09

マグロ漁船から、大麻栽培、治験バイト、夜逃げ屋、偽造クリエイターまで、世の中のあらゆる「危ない」「裏のある」仕事に密着。大通りからは見えない裏路地の世界を、ちょっと覗いてみませんか?（アマゾン紹介文）

「はじめに」にもあるように、頁を進めるたびにリスクが上がり、そのものずばり違法になっていく。
あと、ほぼインタビューなので、「密着」ではない。

2025/07/13

読みやすさ★★★★★
学べる★★★★★
紹介したい★★★★
一気読み★★★★★
読み返したい★★★★★

2004年発行の本だが、20年以上経った今読んでも、めちゃくちゃに面白い。

社会情勢や法律やIT機器の変化に伴い、現在の裏社会状況は本書の内容とはかなり異なったものになっているだろう。

しかし、筆者の目を通して語られる裏稼業の中心はその仕事の詳細ではなく、あくまでも人なのだ。
時代が変わっても人は変わらない。普遍的な人の面白さを書いているから、本書も何度も重版されるほど面白いのだ。

さまざまな裏の仕事の人にインタビューを依頼し、断られ、脅され、誘われ、精神的に追い詰められたという。その熱量が凄いし、文章からも汗や匂いや緊張感が伝わる。
インタビューに持ち込む過程などの対人描写はウシジマくんよりもリアル。幸運にも筆者の流血はないため、その辺りは安心して読める。

YouTubeで知った草下シンヤさん。
スマートな常識人のような外見なのに、裏社会に精通しているというギャップに興味を持った人は少なくないと思う。
ある程度達観しているだろう文章には、時々クスリとさせられる。

怖い、近づきたくない、しかしそんな世界の住民に興味がある。
草下さんのその命知らずな好奇心のおかげで、知らない世界の一端を垣間見ることができてありがたい。

表裏一体とはよく言ったもの。
裏と呼ばれる世界も決して特別な場所ではない。表の人間も何かのきっかけですぐに足を踏み入れることとなる。そのあわい境界を教えてくれる一冊。

2025/06/15

マグロ漁船、治験、宗教書籍出版、原発作業員、鍵師、新聞拡張員、新興宗教団体信者、示談屋、産廃処理、運び屋、総会屋、飛田新地、麻雀裏プロ、裏ビデオ販売、詐欺師、夜逃げ屋、マリファナ栽培、偽造クリエイター、ヤミ金業者、臓器ブローカー
世の中にはいろいろな仕事がある、つまり色々な需要や欲求があってそれを生業にしている人がいるとわかる。
元々はおそらく2000年代の少し古い本だが今でもおそらく変わっていないだろうという仕事が多い。
ほとんどが自分とは直接的には関わりのないコミュニティの話で知的好奇心は満たされるが、内容がダークなものが多いので読むと少し疲れる。