マイ・ストーリー

山本容子(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社/
• 発売年月日: 2004/09/15
• JAN: 9784104705016

商品レビュー

2022/09/25

「ざっくばらんに...」と前置きがあって綴られる自伝ってことだと思う。今、彼女は確か70歳、先日nhkのラジオ番組に出ていた。若い頃に彼女の銅版画と出会い、雑誌に彼女のモノクロの写真が載っていた。右手を自分の胸において確かセミヌード（上半身だけ裸だったと記憶している）何歳ごろの写真だったんだろう？とこの本を読みながらその時の記憶を思い返しながら読み進んだ。
その写真、その右手の存在感が凄くてまさに職人の手のようだった。潔さとパッとした何の衒いもなく清々しいまでの顔が物凄くかっこいいな！と思ったことを思い出した。
この本を書いたのが50代はじめ...
サバサバと一種のリズムを持って一気に書かれたような印象。濃厚でそして一気に駆け抜けた感じがするいい時もそうでない時も。
そして今の彼女もそうなんだと思う。
彼女の作品の醸し出す雰囲気。あ〜やっぱりそうなんだ、彼女の全ての経験がデザインのソースなんだ！と思う。
真面目でそして哲学的...勉強好きで変化を恐れない...
凄い、ただただ凄いと思う。
長い長いあとがき...も印象的。
かっこよすぎ...かっこよすぎです。
惚れ惚れする。

追記//
彼女のこの本を、作品を手に取る前に読んで欲しい。
そんなことを感じてしまう。
その作品の中に彼女のメッセージが必ず潜んでいると思えるから...。

2013/06/23

あの山本容子が、生駒の旅館の子供で、破産の末に門真でお好み焼き屋をやっている母に育てられたということは知らなかった。

2010/08/12

最初に山本容子の絵とであったのは四日市にある行きつけの画廊。
あのオレンジ色をバックにルーカスの困ったような顔の数々の版画。迷わず、一枚買った。
その足で本屋により絵本「犬のルーカス｣を購入。
以来、彼女の作品のファン。

この本の存在は知ってはいたが、友人に勧められてようやく手にとってみた。

ここまで苦楽を含め赤裸々に、でもさばさばと、自分の生きてきた道を世の中に本として出すのって、自分の中に何か強く信じるものと言うか、自信がなければ出来ないよな･･･と、思った。

愛犬や大切なものを失った、または切り捨ててきた記憶など、共感できるものが多くて、私にとっては手元においておきたい一冊。