火のみち(上)

乃南アサ(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社/
• 発売年月日: 2004/08/03
• JAN: 9784062125765

商品レビュー

2019/07/13

戦後の混乱期、満州から引き上げてきた家族の中で他の姉弟と生き別れた兄妹次郎と君子。
母の葬儀のためにした借金のかたに、君子を売ると言った男を撲殺してしまった次郎。
二人の壮絶で数奇な運命。

著者の作品はとにかく読みやすく、安心して読めます。
上巻は戦後から昭和50年代まで。
良く知る時代もあって、とても興味深かったです。

陶芸家として身を立てた次郎。
自分の力だけで、女優として生きてきた君子。
その後の二人がどういう人生を歩んで行くのか、下巻に進みます。

2012/08/04

父が戦死し、戦後満州から命からがら引き揚げてきた。わずか14歳の次郎の肩に、一家の運命がかかっていた。生活していくために、自分を犠牲にして学校にも通えずたえず破れた服を着て何が何でも家族を守ろうとしたどん底の生活の中で母までなくした次郎は、わずかな葬式費用の方に幼い妹を連れ去ろうとする男を撲殺してしまう。10年の刑期の中で作業の一つであった備前焼と出会い、乱暴で短気な次郎が土を触ることでかわっていく。罪を償ってもなお罪の重さに囚われ続ける次郎に、自分を赦せる日は来るのだろうか。読み始めから目が離せず、すぐさま下巻を・・・最低限の睡眠をとるために、食事の支度のために、子供の世話のために、本を閉じるのが惜しいほどだ＞＜

2011/10/23

戦後の混乱期に殺人で囚役した主人公は刑務作業で陶芸を学ぶ
出獄後、陶芸作家の下で働くことになり、才能を見出される