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故郷忘じがたく候 新装版 文春文庫
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故郷忘じがたく候 新装版 文春文庫

司馬遼太郎(著者)

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故郷忘じがたく候 新装版 文春文庫

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商品詳細

内容紹介 内容:故郷忘じがたく候. 斬殺. 胡桃に酒
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2004/10/07
JAN 9784167663148

故郷忘じがたく候 新装版

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商品レビュー

3.8

55件のお客様レビュー

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2010/05/28

秀吉の朝鮮出兵の折、…

秀吉の朝鮮出兵の折、日本に連れてこられた薩摩の陶磁器工の話。

文庫OFF

2010/05/28

日本人にも、韓国の方…

日本人にも、韓国の方にも読んで欲しい作品。故郷から遠く離れ、何百年とたってなお、故郷を想い続ける生き方を深く尊敬します。

文庫OFF

2025/12/26

読書仲間が鹿児島に帰省した時に読んで、強く感じるものがあったと聞いた。その話に触発されて久し振りに司馬遼太郎の世界に触れることになった。 若い頃、彼の小説にのめり込んで身につまされながらよく読んだがこの作品は題名が気になりながらもついつい読まずにきたものだ。 歴史的な紀行文とで...

読書仲間が鹿児島に帰省した時に読んで、強く感じるものがあったと聞いた。その話に触発されて久し振りに司馬遼太郎の世界に触れることになった。 若い頃、彼の小説にのめり込んで身につまされながらよく読んだがこの作品は題名が気になりながらもついつい読まずにきたものだ。 歴史的な紀行文とでもいうのだろうか、翻弄される 民族精神やナショナリズムについて考えさせる。 45歳頃の作家として乗りに乗った時期の作品で、 冴え渡る文章と独特の表現が心のひだを刺激する。 沈寿官は370年前秀吉の朝鮮出兵で、薩摩軍団に南原城の戦いに敗れて捕虜となり、日本に連れてこられた高麗人陶工の末裔である。彼は集団の代表家系の14代目を務める。 司馬ははじめて存命の人物を主題に物語を描いた。 彼らは島津藩から丁重に扱われ、誘われても裏切り者の住む鹿児島城下には住まず、70軒ばかりで苗代川の麓に居付き、陶磁器を作ることで一村をなした。 当初漂着した漁村の浜で故郷に帰りたさのあまり乗ってきた船に縋りつき海中に浮かべるが、小舟ゆえ風浪に押し返された時の望郷の悲しみ、それを彼らは伝承し家霊として家々に棲みつけた。 村には沈氏の他に朴氏・金氏・鄭氏や李氏漂着組17姓があり「朝鮮筋目の者」として礼遇された。 一部例外を除いて帰化して以来姓名を変えていない。地元の学校では朝鮮人差別の暴力洗礼を受けるが耐えることで凌いできた。当然戊辰戦争や西南戦争、太平洋戦争を薩摩人として戦ってきた。 薩摩の日本人という国籍に人一倍誇りを持つ。 明治までは一村ことごとく韓語を語ったが維新後はオノリソといわれる祭祀の歌謡や窯仕事の技術語だけに韓語が残った。 村の鎮守を玉山宮といい、日本の天照(アマテラス)のような朝鮮開国の神祖檀君を祀り、そこから海の彼方の故郷を望み折々に参ることを今も絶やさない。 島津義弘は朴平意に島津家御用のみの白薩摩を作らせ評判を上げ、黒薩摩は御前黒を除いて民間需要に供した。薩摩焼は薩摩、江戸、明治と日本を代表する重要産業となる。 沈寿官氏が招待されてソウル大学で講演をした。 「これは申し上げていいかどうかと前置きして、私には韓国の学生諸君への希望がある、韓国にきてさまざまの若い人にあったが、若い人のたれもが口をそろえて36年間の日本の圧政について語った。最もであり、そのとおりではあるが、それをいいすぎることは若い韓国にとってどうであろう。いうことはよくてもいいすぎるとなると、そのときの心情はすでに後むきである。あたらしい国家は前へ前へと進まなければならないというのに、この心情はどうであろう。‥‥ あなた方が36年をいうなら、私は370年をいわなければならない。」 聴衆は拍手をせず静まりかえった。 しかし沈氏に送る友情の気持ちに愛誦青年歌の熱唱で会場を湧き上がらせた。彼は薩摩人らしく振るまおうと涙を抑えて冗談を言おうとしたが、身を震わせて立ち尽すのみであった。 郷土意識の強い薩摩で日本人になりきった高麗人陶工たちの、長い年月で熟成した民族意識は人間が隔てをなくしてともに生きることの価値を教える。 歴史の荒波に晒された望郷の思いも司馬遼太郎が語ると爽やかな生きる希望に感じるから不思議である。

Posted by ブクログ