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慈恵医大青戸病院事件 医療の構造と実践的倫理
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慈恵医大青戸病院事件 医療の構造と実践的倫理

小松秀樹(著者)

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慈恵医大青戸病院事件 医療の構造と実践的倫理

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 日本経済評論社/
発売年月日 2004/09/05
JAN 9784818817111

慈恵医大青戸病院事件

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2007/01/06

1月? 題名から察するに、慈恵大青戸病院事件の検証を主内容とする本であるかと思っていたが、もっと、医療全体の問題点を提言する本であった。現役医師もしておられる著者からの問題提起ということで、とても説得力があった。まず、印象的であったのは、本書で取り上げられていた、医師と患者の間に...

1月? 題名から察するに、慈恵大青戸病院事件の検証を主内容とする本であるかと思っていたが、もっと、医療全体の問題点を提言する本であった。現役医師もしておられる著者からの問題提起ということで、とても説得力があった。まず、印象的であったのは、本書で取り上げられていた、医師と患者の間に生じるギャップである。医師は、医療の不確実性や制約があることを知っている(手術も体への侵襲を伴うもので多くな危険がある)。しかし患者は、医者ならなんでも治せるといわんばかりの不老不死の幻想にとらわれているという。実際私自身考えてみると、確かに、医療への幻想というものを抱いていたかもしれないと思った。また、そういうギャップの中で医療事故が発生し、民事事件、ないし刑事事件まで発展した場合どのような状態になってしまうか。マスコミも、患者の視点に立ち、感情を優先で事件を書き、場合によっては、刑事事件として警察も捜査に乗り出す。筆者は、医療事故が刑法を根拠に、警察が捜査することに対して、問題視をしている。まず、刑法は、個人の罪を罰するものであるということ。医療事故の場合、多くは、巨大で複雑なシステムの中で発生したものであり、個人を責めてしまっては、結果的には、患者の安心の確保にもつながらず、医師の不安をあおることにつながるだけであるという。また警察は十分な医療に対する知識を持たないため、医師の立場としても、手術如何によっては、自分が犯罪者となることを恐れることになり、結果的に医療の進歩にも大きな支障をきたすことになると警告する。そこで、常設の医療事故調査機関の設置を提言している。 本書は第三部構成で、第1部が医療と刑事事件、第2部が大学と医局、第3部が医の倫理と医療安全という構成であった。 全体を通し感じたのは、医療というものが常に患者視線のものであったこと。それはいい意味では、サービスの向上を目指すということになるが、一方で、それにより、医療が荒廃していく危険性も高い。すなわち、医師は常に求められるだけの立場となってしまうからだ。医師と患者双方にとって、どのような制度が望ましいのか。医師も患者に対し、最大限の説明責任を果たすということはいうまでもない(その他セカンド・オピニオンなども。)が、患者もそれを真摯に聞くなど、相互信頼関係に基づいていく医療が理想的であると感じた。

Posted by ブクログ

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