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寂兮寥兮 講談社文芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社/ |
発売年月日 | 2004/10/10 |
JAN | 9784061983830 |
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寂兮寥兮
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商品レビュー
3
6件のお客様レビュー
あの頃(1980年代)の雰囲気が漂う小説ですね、女性たちが「妻」であることに憤懣や、やるせなさを思いながら、思い切っての飛翔は怖いとグラグラふにゃふにゃしている。つまり「妻たちの思秋期」や「翔ぶのが怖い」という言葉が流行りましたね。 そのことを上品に(おぼろげに)かつ果敢に表し...
あの頃(1980年代)の雰囲気が漂う小説ですね、女性たちが「妻」であることに憤懣や、やるせなさを思いながら、思い切っての飛翔は怖いとグラグラふにゃふにゃしている。つまり「妻たちの思秋期」や「翔ぶのが怖い」という言葉が流行りましたね。 そのことを上品に(おぼろげに)かつ果敢に表したファンタジー小説かと。神話の天智天皇、天武天、皇額田女王の世界に題材をとりながら、隣家の男兄弟と兄を失い家付き娘となって婿を迎えた女性とのご近所での恋愛模様。それは神話の世界にもあるし、『嵐が丘』にもあるし、古典的なみやびの世界でもあるので「谷崎潤一郎賞」というのもむべなるかな。
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老荘思想や神話の世界観などが引き合いに出されるが、あまりそういうものにとらわれないで読んだほうがいいかもしれない。隣同士の家に住む幼なじみの男女が互いの連れ合いを交通事故でなくすのだが、実は死んだ者たちが不倫関係にあったことがわかり、当の彼らもその関係を反復するように性愛の仲にな...
老荘思想や神話の世界観などが引き合いに出されるが、あまりそういうものにとらわれないで読んだほうがいいかもしれない。隣同士の家に住む幼なじみの男女が互いの連れ合いを交通事故でなくすのだが、実は死んだ者たちが不倫関係にあったことがわかり、当の彼らもその関係を反復するように性愛の仲になってゆく。筋は単線的ではなく、喚起力の強いイメージや言葉とともに複雑に絡み合っていて、途中で挿入される入れ子の小説が全体に深い暗示を与えている。とにかく主人公の女の徹底的に冷めた感じがうっとりするほどすばらしく、女性という性の最も深いところの孤独と意地悪さを体現していると思う。
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女ってぐにゃぐにゃしたものだな、と思った。 大体、そういう話を読むと、自己嫌悪に落ち入るのだけれど、この本はそうじゃなかった。 説教くさくもなく、罪悪感をあおることもなく、女のぐにゃぐにゃさを描いていると思った。
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