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星条旗の聞こえない部屋 講談社文芸文庫
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星条旗の聞こえない部屋 講談社文芸文庫

リービ英雄(著者)

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商品詳細

内容紹介 内容:星条旗の聞こえない部屋. ノベンバー. 仲間
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2004/09/10
JAN 9784061983809

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商品レビュー

3.7

13件のお客様レビュー

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2024/07/19

中上健次や村上龍の初期の青春小説の逸品たちにも似た「みずみずしい世界への違和感・怒り」を感じる。どのように働きかけてもあらかじめユダヤ人(つまりは「ガイジン」)とみなされるその一方的な偏見・眼差しの暴力性に戸惑い、そしていったい自分は何者なのか・なぜここにいるのかを不断に問い詰め...

中上健次や村上龍の初期の青春小説の逸品たちにも似た「みずみずしい世界への違和感・怒り」を感じる。どのように働きかけてもあらかじめユダヤ人(つまりは「ガイジン」)とみなされるその一方的な偏見・眼差しの暴力性に戸惑い、そしていったい自分は何者なのか・なぜここにいるのかを不断に問い詰められている気にさせられるという果てしない心理的重圧が伝わってくるのだ。実を言うと(こんな読みは我田引水そのものだが)ぼく自身発達障害者として、そんなどこにも居場所を持てない違和感に心が乱されることがある。ゆえにこの作品に共感を抱く

Posted by ブクログ

2013/10/08

文学作品をまともに読むなんて、相当久しぶりでした。 先輩に誘われて参加している読書会という名の飲み会で、課題図書になっていたのに、会には間に合わず。そんで、ようやく読み終えました。 アメリカ人が日本語で書いた小説ということで話題になったそうです。 日本人でも使わないような語彙も繰...

文学作品をまともに読むなんて、相当久しぶりでした。 先輩に誘われて参加している読書会という名の飲み会で、課題図書になっていたのに、会には間に合わず。そんで、ようやく読み終えました。 アメリカ人が日本語で書いた小説ということで話題になったそうです。 日本人でも使わないような語彙も繰り出していて、日本文学が「開国」を迫られた、みたいな。 しかし、ことはそう単純ではないようで、主人公=作者はアジアでの生活が長いユダヤ系アメリカ人だと。日本人の血は入っていないけど、生粋?のヤンキーでもない。 こういうのを「ディアスポラ」とかいうんでしたかね? とにかく、どこに行っても居場所がない感じに溢れた小説です。

Posted by ブクログ

2013/08/05

日本人の血を一滴も持たない作者、リービ英雄が母語を離れ日本語で書いた小説。(リービ英雄は「万葉集」を英訳したことでも有名。)しかも「あとがき」によると、スタンフォード大学にいる時に書いたものだそう。 日本語以外を母語とする作家によって書かれた日本語の小説といえば、近年では第1...

日本人の血を一滴も持たない作者、リービ英雄が母語を離れ日本語で書いた小説。(リービ英雄は「万葉集」を英訳したことでも有名。)しかも「あとがき」によると、スタンフォード大学にいる時に書いたものだそう。 日本語以外を母語とする作家によって書かれた日本語の小説といえば、近年では第139回芥川賞を受賞した楊逸なんかが思い起こされる。その時に、私はいくらかの驚きと違和感をもってその事実をうけとめた気がする。こうした違和感は、私が(自身の読書経験を通して)無意識のうちに、「日本の小説は日本語を母語とする作家によって書かれるもの」という先入観を抱いていたという事実を暴露するものであった。 母語以外で小説が書かれることもあるという事実を私はそれまで知らなかったわけではない。カフカやコンラッドなど、そうした例を4、5人簡単に列挙することが私にはできる。だが、私はそうした先例を知りながらも、自分の母語である日本語においても同様のことがおこりえることに随分と無自覚だったのだ。 ところで、楊逸はごくごく最近のことだが、リービ英雄の『星条旗の聞こえない部屋』が「群像」に発表されたのは1987年3月、今からちょうど23年前のことで、しかもこの1987年3月とは私がこの世に生を受けた時である。23年前にも私のような奇妙な違和感を抱いた人物はいくらか存在したであろうし、そうした衝撃はきっと私が感じたもの以上に激しいものだっただろう。当時の文学界の雰囲気をこの身で感じとることは不可能だが、「異形」のものとして受け取られたであろうことはなんとなく察しがつく。 さて、最後にこの本を読み終えた後の感想を簡単に。この本を読んでいて私はソフィア・コッポラ監督の『ロスト・イン・トランスレーション』を想起した。「日本」というよく知る自分の母国の話を観て(読んで)いるにも関わらず、異国人の視点を通すことで、そうした自分のよく知る国のことが恐ろしく奇妙なものに感じられるという体験を、両者において同じように経験したというのがその理由。 是非、この本とあわせて、ソフィア・コッポラ監督の上記の映画も観ていただきたい。 ちなみに本書は野間文芸新人賞を受賞している。 いつものことながら、要領を得ないブックレビューでした。

Posted by ブクログ

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