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敗北を抱きしめて 増補版(下) 第二次大戦後の日本人
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2004/02/02 |
JAN | 9784000244213 |
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敗北を抱きしめて 増補版(下)
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ポツダム宣言を履行するために「日本に戦争を永久に放棄させ、民主主義国家に作り変える」お花畑リベラルが頭の中だけで描いた理想は冷戦の現実にあっけなく崩れ、日本をおぞましい共産圏の「日本人民共和国」にするわけにはいかないため天皇制を維持し、天皇制を維持する以上、天皇に戦争責任を負わせ...
ポツダム宣言を履行するために「日本に戦争を永久に放棄させ、民主主義国家に作り変える」お花畑リベラルが頭の中だけで描いた理想は冷戦の現実にあっけなく崩れ、日本をおぞましい共産圏の「日本人民共和国」にするわけにはいかないため天皇制を維持し、天皇制を維持する以上、天皇に戦争責任を負わせるわけにはいかず、スケープゴートとして戦犯を「作る」必要があった。 東京裁判は、訴因「平和に対する罪=世界征服を意図した共同謀議」があからさまな事後法である上に、噴飯物の罪状であり、被告の人選も出鱈目(せめて何名かは日本人自らが訴追すべきだったのではないか)、法手続きも粗雑を極め、ショウケース裁判として歴史に汚点を残した。 天皇制について著者は「国民はそれほど関心を持っていない、過去には女性天皇もいる単に過大評価された王制」と実利的に考えているが、前半は正しくても後半は大間違いで、2000年以上続く(そのつながりがどれほど細く、極論すればフィクションだとしても)男系という「権威」が重要なのである。 西欧文明では神の代理人たる教皇に、地上の権力である国王が「人間対人間の」争いで勝利し、その国王を人民が打倒した歴史があるため、民主主義共和国であっても神は残るのだが、女系天皇制や天皇制の廃止は、神そのものを消しさるに等しい暴挙なのである。 健全な民主制は国民が「自律的に」参画する制度のはずだが、ナチスドイツやソ連、中共と簡単に扇動される衆愚制を目の当たりにして、連合国は狡猾な検閲による思想統制を導入し、結果として「建前と本音」「ダブルスタンダード」の嘘で固めた民主制もどきが出来上がった。 結果的に完敗したとはいえ、欧米諸国との戦争を選択肢に入れられる程度には科学力・工業力を持った国を「玩具や雑貨を輸出して慎ましく暮らす」レベルに落とし、その代わりに財閥や独占企業の力を削いで、国民が権利を主張できるバランスの取れた国に変える構想は、朝鮮戦争特需で一瞬にして超効率的な(技術支援に品質管理技法の特典までついた)統制経済を復活させ、その代償として経済以外がすべて犠牲にされる体制は、大蔵省が占領軍の権力をまんまと引き継いでますます強化された。 敗戦は、連合国にとってナチスドイツのような狂信的で強固な集団と思われていた日本人が、茫然自失となり、そこから誇りも名誉も道徳もかなぐり捨てて、ただ生きるために必死になる哀れな姿を容赦なくさらけ出した。 もしかしたら瓦礫の中から日本人の手による民主主義(とは限らないかもしれないが)国家を再生できたのかもしれない。 しかし冷戦の現実が、半ばアメリカに属国化され、半ばは旧体制を引継ぎ、半ばは国民の意思(与えられたものと自ら手にしたものがあるにせよ)を反映した中途半端な「日本」を混血の未熟児として産み育てた。 エピローグ(ここだけでも読んだ価値があった)によると、昭和天皇崩御をもって「戦後」は終わったという。戦後の毒や負の遺産は消えていないが、2700年に及ぶ日本史の視点で見ると64年程度の歪みはちょっとした病気療養期間に過ぎないのかもしれない。 本書にルーズベルトの名前は出てこなかった。そもそもソ連に踊らされて日本にハルノートを突きつけて戦争せざるを得ない状況にに引きずり込んだ上に(これは日本も同様だが)、ポツダム宣言に無条件降伏を盛り込んで終戦を遅らせ、ソ連一人勝ちのお膳立てをした最低無能のルーズベルトを否定できるほどには、アメリカも「自由」ではないのだろう。
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上巻にも共通して言えることだが、外国人が戦後の日本を語っているためにバイアスがないのが良い。自分自身日本人であり当時の話を見聞きする機会は圧倒的に日本人からが多いが、このようにイーブンな目線で戦争ならびに戦後を語られているので読み手も感情を抜きにして当時の様子を理解ができる。「菊...
上巻にも共通して言えることだが、外国人が戦後の日本を語っているためにバイアスがないのが良い。自分自身日本人であり当時の話を見聞きする機会は圧倒的に日本人からが多いが、このようにイーブンな目線で戦争ならびに戦後を語られているので読み手も感情を抜きにして当時の様子を理解ができる。「菊と刀」「幸之助論」と共通した読後感があった。
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増補版といっても加筆ないが大判になって数倍掲載されている写真「三木清全集の発売前夜に書店前で寝袋で泊まり込む十数人」「占領軍兵士を戸外接待する芸者(アサヒグラフ’45Oct表紙」「戸外生活者(神戸三宮駅)」「超満員の買い出し列車」世相を物語る/ダワーは天皇の戦争責任が否定されたを...
増補版といっても加筆ないが大判になって数倍掲載されている写真「三木清全集の発売前夜に書店前で寝袋で泊まり込む十数人」「占領軍兵士を戸外接待する芸者(アサヒグラフ’45Oct表紙」「戸外生活者(神戸三宮駅)」「超満員の買い出し列車」世相を物語る/ダワーは天皇の戦争責任が否定されたを批判する立場だが、戦勝国が「道徳的責任」を言う傲慢に気づいているだろうか/朝鮮戦争を契機としで重工業再建、再軍備化に占領政策は変化し、講和独立にもこぎつけた。 戦後すぐに掲げられてきた非軍事化と民主主義社会構築の理想は左翼の大法螺
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