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聞かなかった場所 新装版 角川文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店 |
発売年月日 | 2004/10/22 |
JAN | 9784041227572 |
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商品レビュー
3.8
13件のお客様レビュー
「松本清張」の長篇ミステリー『聞かなかった場所』を読みました。 「松本清張」作品は、今年の4月に読んだ『内海の輪』以来ですね。 -----story------------- 妻の死の真相を追って運命に翻弄される一人の男。 力作長編。 農林省の係長「浅井」が妻の死を知らされ...
「松本清張」の長篇ミステリー『聞かなかった場所』を読みました。 「松本清張」作品は、今年の4月に読んだ『内海の輪』以来ですね。 -----story------------- 妻の死の真相を追って運命に翻弄される一人の男。 力作長編。 農林省の係長「浅井」が妻の死を知らされたのは、出張先の神戸であった。 外出先での心臓麻痺による急死とのことだったが、妻が倒れた場所は、妻が一度も口にしたことのない町であった…。 一官吏の悲劇を描く力作長編。 ----------------------- 農林省の係長「浅井恒雄」は神戸への出張中に妻「英子」が心臓麻痺で急死した… 元々「英子」には軽度の心筋梗塞があったのだが、倒れた場所に不信感を抱いた「恒雄」は、妻の死の真相を知るために調査を始める、、、 「恒雄」が被害者として真相を探り加害者を追い詰める前半、 一転して脅迫される立場となる中盤、 そして加害者として自ら仕掛けた罠に自ら陥り、農協職員の誠実さにより事実が明るみになる後半… と、それぞれの展開に応じた心理描写が愉しめる作品でした。 自然体でいれば明るみにならなかったかもしれない犯罪が、隠蔽しようと工作を仕掛けた影響で… しかも、悪意のない誠実な農協職員の行動から見破られてしまうという皮肉な展開が面白かったですね。 被害者って、加害者になってしまう要素を持っているもんですよねぇ… 怖い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
<蟷螂の斧 自制心と暗い衝動> しがない公務員、浅井に嫁いだ身の丈に合わない美麗な妻、英子。そんな妻がある日、持病の悪化により急逝してしまう。その妻が亡くなった場所は、浅井には思い当たる節の無い、縁もゆかりも無い場所だった。 そこに絡むタイトル。。 真実を知る為に、そして自分の仮説を否定する為に、推察と調査を重ねるほどに、信じたくない真実が近づいてくる。 丁度、境内にある小池で、水面に向かってゆらりと浮かび上がってくる鯉を見つけた時みたいな。 もう、鯉であることは間違いない。でも、鯉が口を水面から突き出す瞬間まで見つめてしまう、みたいな。 どう転んだって、鯉である。そんな確実性をもって、ぬるぬると真実と鯉は近づいて来る。 舞台は暗転。 逃げようとすればするほどに、偶然と自分で掘った墓穴に足を絡め取られる。因果応報とはまさにこのことか。 しかし、ここまで結び付けられてしまうものなのか、重なってしまうものなのかと思う。もはや神的な意志によって、絶望に誘い込まれているのでは? とまでも思える。でも、わざとらしくならない。それは浅井の心理描写が『そうゆう人間』そのものの動きやから、だと思う。すごく自然なのだ。 最期はたった数行。 しかし物語のその先にあるエンディングは明瞭にイメージさせられる。 堅実な生き方を重ねてきたのに。ぶち壊したのは、自分自身。 そう思う一方、突き動かされた浅井の気持ちが理解できないわけではない。もし自分が、、と主人公に重ねてしまって、胸が締め上げられた人も多いのではないか。 残酷な真実を無理に掘り起こす行為は危険なのかもしれない。危険やからこそ埋まっている。掘り起こせば最後、そんな真実よりも暗く重たい自分の衝動が襲いかかってくる。半端な覚悟では、あっという間に飲み込まれてしまう。 と、、なんかかっこよく書いてみました。いかがかしら。笑 あんまり書きすぎるのは良くないと思いつつも、熱中するあまり朝の通勤電車を乗り過ごしかけたのは久しぶりなのでその熱が乗ってしまいました。笑 文中『活字が模様の様に見える』って表現があるんですが、これは「分かるっ、、」てなりました。
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聞かなかった場所(角川文庫) 著作者:松本清張 発行者:角川書店 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 ふとしたことから膨らむ心の闇を描くある男の復讐劇。
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