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破滅の美学 ヤクザ映画への鎮魂曲 ちくま文庫
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破滅の美学 ヤクザ映画への鎮魂曲 ちくま文庫

笠原和夫(著者)

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破滅の美学 ヤクザ映画への鎮魂曲 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房/
発売年月日 2004/02/13
JAN 9784480039248

破滅の美学

¥770

商品レビュー

4.2

5件のお客様レビュー

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2018/10/08

楠木先生の戦略読書日記の記事「映画はやくざなり」の中で、本書もお薦めとのことで、読んでみた。著者が「みそ帖」と呼ぶ取材ノートから、「日本侠客伝」「仁義なき戦い」を初めとする数々の映画について書いた「前説」ならぬ「アトセツ」である。数々の映画の脚本を制作するにために取材したネタを披...

楠木先生の戦略読書日記の記事「映画はやくざなり」の中で、本書もお薦めとのことで、読んでみた。著者が「みそ帖」と呼ぶ取材ノートから、「日本侠客伝」「仁義なき戦い」を初めとする数々の映画について書いた「前説」ならぬ「アトセツ」である。数々の映画の脚本を制作するにために取材したネタを披露している。教科書には絶対に出てこないが裏社会の実態を垣間見ることができ、非常に興味深かった。 かつてはよく耳にした「総会屋」が何なのかも詳しく取材されていた。 「そのころ、総会屋にとって『お客の四本柱』は、銀行、鉄鋼、財閥グループ、証券、の四種であった。だいたい、銀行から『月給』をいただき、電力と鉄鋼から『ボーナス』をいただくのが、中堅以上の総会屋の『賛助金』の内容だった。」 「『幹事総会屋』に任ぜられた新進は、古手総会屋を料亭に集めて『根回し』の懇談会を開く。このとき会社側から、丸盆に袱紗で覆った祝儀袋が出される。総会屋の誰か一人がその盆を引いて、祝儀袋の重さを量り、懐に入れたらオーケーの合図で、もし気に入らないで盆に返したら、他の一同もいっさい手を出さずに一斉に退場する。この一瞬は会社側の担当者が一番緊張する時である。…この祝儀袋の中身は、おおむね数百万円から数千万円の額である。  『根回し』が済むと、仲間たちに諮って『議案原稿』を作成し、『議事進行シナリオ』をまとめる。この台本を印刷して社長以下全重役に配布し、某日、料亭に一同を収集して、リハーサルを行う。むろん総務の担当者も顔を揃える。  『幹事総会屋』はストップウォッチを手にして、台本通りに模擬総会を進め、社長の発言なども、『いまのは七分三十秒かかった。三十秒長い』などと注文をつける。『諒解!』の拍手を入れるところや、馴れ合いの乱闘などもチャンと<シナリオ>のなかに書きこまれてあるものである。こうして、当日、 『有意義な、格調ある、厳粛な会議』  と会社側がいう総会は、『アッ』という間に『異議なし総会』で幕が下ろされるのである。」

Posted by ブクログ

2016/12/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

破滅の美学 ヤクザ映画への鎮魂曲 笠原和夫 カバー裏より 『「仁義なき戦い」「総長賭博」など、数々のヤクザ映画の脚本家として名を残した笠原和夫。その彼が取材で知り得たヤクザたちのほんとうの姿とは?喧嘩、博奕、修業、放蕩、狂気、情欲……。男たちの行動と心情をいきいきと描き出す。映画のもとになった話、映画にできなかったエピソードなど、実際の映画以上に面白い内容に、ファンならずとも引きこまれる。』 ヤクザ映画は観たことありませんし、観たいとも思いませんが(暴力シーンが無理)、文章だとなぜか読める。 ヤクザとか暴力団のように、最終的に暴力(飛び道具込み)で手っ取り早く肩をつけるというのが好きではない。 だけどこの本、まあまあ面白く読めたのですわ。 “だいたいヤクザの裏話を聞いてきてそのままを映画にしたら、試写室で見た親分が、 「こんな侠客、いやへんで、アホクサ!」 と怒り出す。ウソ八百の義理人情で練り固めたドラマを見せると、 「これや!これがホンマモンや!」 と喜んでくれる。” つまりまあ、普段観ているヤクザ映画は事実に即してはいないらしい。 三島由紀夫が、著者が脚本を書いたヤクザ映画を絶賛してから、ヤクザ映画が市民権を得たらしいが “わたしはじつは三島文学というものがよく分からない。あの人がしきりと軍人の格好をして見せていたのも、よく分からない。本当の軍人というものは、人前でそういうフリはして見せないものである。” ヤクザも、客(カモ)がいてなんぼのところがあるので、一般の人に凄んでみせることはほとんどないというのだけど、ホントかな。 ヤクザといえば仁義口上だけど、今どき長々と仁義を切る人はいないのだとか。 長々やるなら「事前に電話ですませろ」と言われるので、今では名刺の交換だけで終わってしまうのだそうで。 一宿一飯の恩というけれど、これにもきちんとした作法がある。 “食事は茶碗に二杯ときまっていて、出されたものは全部食べなくてはいけないから、二杯目の飯を残さないように、一膳目の飯の真ン中だけ少し箸をつけて穴をあけ、そこに二杯目をよそって貰うようにする。魚の骨も紙に包んで懐中に蔵(しま)う。” 映画界の中で継子扱いされていたヤクザ映画。 そんな中で脚本を書き続けていた著者は、本当はヤクザなんて大嫌いでありながら取材を重ね、作品を発表していく。 “褒め言葉は、人を元気づける。しかし、それは潤滑油としての効用で、燃料にはならない。人を前に押し進めるものは、真正面から浴びせられた悪口雑言、痛罵、毒舌、「寸鉄人を刺す」皮肉などである。” 暴力は嫌いだが、反骨精神は好きだ。

Posted by ブクログ

2011/07/27

「日本侠客伝」「仁義なき戦い」シリーズなど の脚本家、笠原和夫がヤクザ映画の取材、執筆の裏側を明かす。労作、大作、傑作の「昭和の劇」とあわせて、ファン必読。泣く泣く映画から削った秘話満載。

Posted by ブクログ

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