1,800円以上の注文で送料無料

「ほんもの」という倫理 近代とその不安
  • 中古
  • 店舗受取可
  • 書籍
  • 書籍

「ほんもの」という倫理 近代とその不安

チャールズテイラー(著者), 田中智彦(訳者)

追加する に追加する

「ほんもの」という倫理 近代とその不安

定価 ¥2,750

1,650 定価より1,100円(40%)おトク

獲得ポイント15P

在庫あり

発送時期 1~5日以内に発送

店舗受取サービス対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!

店舗到着予定

12/2(月)~12/7(土)

商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 産業図書
発売年月日 2004/02/20
JAN 9784782801406

店舗受取サービス
対応商品

店舗受取なら1点でも送料無料!
さらにお買い物で使えるポイントがたまる

店舗到着予定

12/2(月)~12/7(土)

「ほんもの」という倫理

¥1,650

商品レビュー

4

3件のお客様レビュー

レビューを投稿

2013/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

近代は、前近代の「脱魔術化」から始まる。神や超越的存在を否定した近代から、個人主義が始まる。同時に、魔術が排除された近代では、テクノロジー、官僚制、非人格的メカニズムが発達する。あらゆることを計量し、最大化、効率化をめざす道具的理性が、人間の人格性を否定する。個人は、テクノロジーの発達した社会において、自分の中にひきこもるようになり、共通の事柄について対話することが少なくなった。近代の個人は、政治的自由を喪失した。 テイラーは以上の形で近代の問題点を指摘した後、現代文化を否定するのでもなく、是認するのでもなく、現代文化がその始まりに持っていた理想に従って、現代文化を立て直そうと提言する。 近代的な自己は、ルソーやヘルダーが指摘したように、自己意識の肯定、発見から始まる。近代社会では、自己決定、自己選択の自由が称賛されるが、テイラーは、選択行為そのものに価値をおくこと、また、全ての選択肢に価値があるとする相対主義的発想を批判する。 個人が自由に選択するのは何故かと言えば、様々な事象に価値の大小差異があるためである。近代的な個人主義、個人の自由な選択を肯定する思想を否定するのでなく突き詰めてみよう。諸個人は、「よりよい生き方を自分で選びとることができる」という価値が再発見されるだろう。 自分の選択、決定に責任を引き受けつつ、率先して、最高の道徳的価値を選びとろうと生きていくこと。これがテイラーの奨励する生き方となる。道徳的価値は、個人により発見されるが、選び取ったそれが価値あるものかどうかは、一人の決定によるのでなく、他者との対話、承認によって生じる。 多元的な個人の価値を肯定しつつ、全てのものに等しく意味があるというのでもなく、共同体を一方的に賛美するのでもなく、別の方策、いや、本来的なドイツロマン主義が目指していた<ほんもの>という倫理を思考すること。テイラー思想入門に最高の良書だった。

Posted by ブクログ

2012/07/05

ロマン主義に根差す本来性について述べる本書の一番の見どころは、たぶん以下の文章 こうしたことが、理想の真価を示す論拠にならないことは承知しています。しかしそれは、この理想に敵対するひとたちを謙虚な気持ちにさせるはずです。はたして、この理想を根絶やしにすることに意味があるのでしょ...

ロマン主義に根差す本来性について述べる本書の一番の見どころは、たぶん以下の文章 こうしたことが、理想の真価を示す論拠にならないことは承知しています。しかしそれは、この理想に敵対するひとたちを謙虚な気持ちにさせるはずです。はたして、この理想を根絶やしにすることに意味があるのでしょうか。別の言い方をすれば、わたしたちのおかれている状況では、わたしの薦める方法の力が、つまり、この理想の最善のものを支持し、わたしたちの実践をその水準にまで引き上げようとすることの方が、意味のあることなのではないでしょうか 自然環境や野生の大地がわたしたちに訴えかけているという感覚を取り戻すことができるなら、深刻な生態系の破壊を何とか押し止めるのに大きな助けとなります。しかし、道具的理性と自己中心的な達成のイデオロギーによって現代の趨勢となった主観主義的な先入観のために、こうした言い分をことばで説明するのはほとんど不可能になっています。…人類の幸福のためというのはなるほどそのとおりでしょうし、たしかに大事なことではありますが、しかしそれで片付く話ではありません 世界でも相当発言力のでかいと思われる哲学・思想研究者のチャールズテイラー。近代における脱人間中心主義について、やべえ、爺さん、やべえよ、とげらげら腹を抱えて読ませて戴きました。

Posted by ブクログ

2010/07/30

この方はトクヴィルに言及し、現代的な個人主義に否定的な側面があることを認めつつも、なおも、その道徳的価値を擁護しようとしている。 ひとは誰しも、自分がほんとうに重要だと思うこと、ほんとうに価値があると思うことにもとづいて、自分なりの生のあり方を発展させてゆく権利をもっている。自...

この方はトクヴィルに言及し、現代的な個人主義に否定的な側面があることを認めつつも、なおも、その道徳的価値を擁護しようとしている。 ひとは誰しも、自分がほんとうに重要だと思うこと、ほんとうに価値があると思うことにもとづいて、自分なりの生のあり方を発展させてゆく権利をもっている。自分自身に忠実であれ。自分にしかなれないものになれ。しかも、何をもって自分自身とするか、自分にしかなれないものとするかは、最終的にはひとりひとりが、彼ないし彼女自身で決めなければならない。彼ないし彼女意外なんぴとも、その中身について指図することはできないし、またすべきでもないのだ。

Posted by ブクログ

関連ワードから探す

関連商品

最近チェックした商品