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東京焼盡 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2004/03/25 |
JAN | 9784122043404 |
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東京焼盡
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商品レビュー
3.9
11件のお客様レビュー
百間の東京空襲体験記…
百間の東京空襲体験記。時に詩的でさえある日記文学の名作
文庫OFF
終戦間際の東京での生活を綴った日記。連日連夜の空襲警報、食糧難、自宅の焼盡と普通に考えると絶望的な状況であるが、日記の内容は淡々と記されており、それがリアリティを生んでいる。
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読んだのは旺文社文庫。 「戦時中はみんな、怯えながらも目を吊り上げて有事の生活をすごしていたんだろう」となんとなく思っていた。 繰り返される空襲(殺戮)にあたふたしながら、さらには圧倒的な物の無い暮らしのなか、会社に行ったり買い物したり「普通の生活」を営んでいるということにやや驚...
読んだのは旺文社文庫。 「戦時中はみんな、怯えながらも目を吊り上げて有事の生活をすごしていたんだろう」となんとなく思っていた。 繰り返される空襲(殺戮)にあたふたしながら、さらには圧倒的な物の無い暮らしのなか、会社に行ったり買い物したり「普通の生活」を営んでいるということにやや驚く。考えてみれば当たり前なんだけどね。 ウクライナ侵攻でも怯え、隠れて暮らす人々など暗い生活ばかり報道されるが、出かけたり出社したり学校に行くなど、日々営みを続けているのだ。 自分は「怖い」ばかりでそんな生活はできないと思う。 8月15日、玉音放送を聞いての記述。 「熱涙滂沱として止まず。どう云ふ涙かと云ふ事を自分で考へる事が出来ない」 作家などの玉音放送を聞いたときの述懐で、百閒先生のこの文章がいちばんしっくりくるような気がする。複雑な感情の動きはあとになって分析して解明するのだ。 8月16日 「今日辺りから日本の新しき日が始まると思ふ」 という、切り替えの早さ。実にたくましい。 8月18日 「去年の十一月以来随分こはい目を見て来た。臆病だから人並以上に恐れたが、しかし心行くばかり恐れたと云ふ片付いた気持もある」 「こはい事をこはいと思ふまいとしたり何かに気を取られて或いは遠慮して中途半端に恐れるのは恐怖以外の不快感を伴なふ」 すでに客観的な”振り返り”に入っている。「あー、怖かった」てなもんである。 そして日記の最終日の8月21日 「何しろ済んだ事は仕方ない。『出なほし遣りなほし新規まきなほし』非常な苦難に遭って新らしい日本の芽が新らしく出て来るに違ひない」 悲惨な生活を強いられていたにもかかわらず、こうした希望を忘れないで生きてきた人たちのおかげで、僕らの今があるんだなぁ。 たくましく、頼もしいご先祖がたに顔向けできる生き方ができていないところが悲しいけど。
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