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司馬遼太郎が考えたこと(1) エッセイ1953.10~1961.10 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社/ |
発売年月日 | 2004/12/22 |
JAN | 9784101152431 |
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司馬遼太郎が考えたこと(1)
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商品レビュー
4.2
12件のお客様レビュー
微妙に後の蘊蓄癖が見え隠れしなくもないけれども、まだまだ青い感じのエッセイ集。正直これだけでは全く面白くないと思います。 でも後に国民作家と言うべき地位にたどり着いた作家の軌跡という観点では興味深い。幾つかの選択肢が確かにあり、おそらくは半ば自覚的に、半ば無意識のうちに自らの進路...
微妙に後の蘊蓄癖が見え隠れしなくもないけれども、まだまだ青い感じのエッセイ集。正直これだけでは全く面白くないと思います。 でも後に国民作家と言うべき地位にたどり着いた作家の軌跡という観点では興味深い。幾つかの選択肢が確かにあり、おそらくは半ば自覚的に、半ば無意識のうちに自らの進路を進んでいったという意味で。
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枕元に置いて 一編ずつ ゆっくり まったり 読み進めている そういう読み方には とても合う一冊でした
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「司馬遼太郎が考えたこと」全15巻は司馬が書いた随筆のうち単行本としてまとめられたもの以外を集成し、初出時系列順に並べたシリーズ(初出情報については各巻に詳細な「作品譜」が付いている)。本書はその第1巻。したがって彼が公にした文章のうち、最初期のものが掲載されている。 最初期と...
「司馬遼太郎が考えたこと」全15巻は司馬が書いた随筆のうち単行本としてまとめられたもの以外を集成し、初出時系列順に並べたシリーズ(初出情報については各巻に詳細な「作品譜」が付いている)。本書はその第1巻。したがって彼が公にした文章のうち、最初期のものが掲載されている。 最初期とはすなわち、彼が新聞記者・福田定一として生きていた時代も含むものである。その頃の文章は、やはり後年の司馬遼太郎のそれとはどこか違う。文体が違う、という批評はいささか表層的で、おそらく、視点が違う、というのが本質だろう。「それでも、死はやってくる」のような文章が生まれるのは、敗戦から10年と経ていない時期のせいもあるが、それ以上に「司馬」的な鳥瞰的視点への飛躍がいまだなされていなかったためだと思われる。戦争・宗教・死と向き合う、大変内省的な文章である。 本書の半ばあたり、昭和30年代中頃に近づいてくると、我々のよく知る「司馬遼太郎」の文章となってくる。つまり本書の前半で我々は「福田定一は如何にして司馬遼太郎となりしか」を読み解くことができるのである。この第1巻に特別の意義があるとすれば、その点であろう。後半になるともうすっかり司馬遼太郎のスタイル=視点は確立されている。その語り口の魅力を説明するのに今さら変な小理屈を並べることもあるまい。「生きている出雲王朝」「わが愛する大阪野郎たち」「丼池の鳥葬」「ああ新選組」など、いずれも名品だと思う。 巻末には海音寺潮五郎と山崎正和の文章が載っている。海音寺のは昭和35年に書かれたもので、新人・司馬遼太郎への惚れっぷりがすごい。山崎のは本書の単行本刊行時に書かれたものだろうが、司馬の本質を言い当てた大変見事なものだと思う。「従来、この文学者についての最大の誤解は、その歴史学を称えて、詩人の心を見落としてきたことであった」の一文には思わず膝を打った。
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