「農」が変える食ビジネス 生販協業という新たな取り組み

青山浩子(著者)

• 販売会社／発売会社: 日本経済新聞社/
• 発売年月日: 2004/12/17
• JAN: 9784532311797

商品レビュー

2018/10/08

事例が幅広で面白かった。

「計画通りに事が運ぶのは10年に1度あるかないか」
「メロンを買う人が1人いるとします。でも『静岡産』という産地名が付くと注文するのが3人に増えます。そこに『私が作りました』という生産者名が入ると9人、『このメロンはこうやて栽培し、糖度は何度です』という情報を付加すると12人に増える。インターネットは確実に食と農のあり方を変えたということではないでしょうか。一般の流通では知られていなくても、ウエブの世界では多くのファンを持つ農家も登場していますよ」

2009/12/20

生販協業という新たな取り組み

◎カルビー
国産原料のポテトチップス
青果用・加工用も供給

◎メルシャン
自社栽培
和食にぴったりの付加価値

◎キリンビール
組織培養
シンシア

◎和郷園
味と品質を追求した冷凍野菜

◎まつの
中卸が直営農場
個人向け宅配

◎レストラン　ケケ
メニューは届いた野菜次第

◎ヤオマサ
スーパーが遊休地を再生
NPO管理で農業生産と高齢者対策

◎R　1/F
下処理も自社で
30～40％を直接仕入れ
良質な農山地を開拓

◎サイボク
スーパー・レストラン・直売所を設けたテーマパーク
「緑の牧場から食卓まで」
◎林牧場
豚の価格
日本：3万円
欧米：1万円
　　　　4500円
精肉（日本で主に）は軟らかくするため脂肪が必要。
（欧米で主に）ハム･ソーセージは固いのがいい。
手間賃。

「21世紀の日本農業像」
集団農業　60％
　・法人化などをした集団組織
　・地域営農集団
　・異質な企業・商社との連携
　・農村女性のベンチャービジネス
　・アグリトピア事業
　（生産から加工販売まで手がける、その地域ならではの
　　ドラマを想像する農業）

台所農業　23％
　・都市部の住民への計画的生産及び販売
　・一般消費者を巻き込んだ、市民農園やグリーンツーリズムの展開

サロン農業　10％
　・首都圏、政令指定都市周辺の農業
　・首都圏などのホテル、レストラン、スーパー、コンビニなど
　　と提携した安定的な取引

世襲農業　5％
　・先祖から継承されている農地で自活的な有畜複合農業

企業農業　2％
　・経営面積30～100ha
　・ヘリコプターによる農薬散布、コンバインを使った効率的農業
　・主として稲作（←？）

テーマパーク・その他
　・景観農業の創生
　・特殊･異質な発想によるテーマパーク

2006/05/02

食の世界でも、生産と販売のサプライチェーンマネジメントが重要になってきた。“作る側”でしかなかった農業に吹き込む“売る側、使う側、食べる側”の発想。他産業とのコラボレーションが新たな果実を生む。すべての食ビジネスの道は「農」に通ず―。