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浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇 新潮文庫
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浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇 新潮文庫

佐賀純一(著者)

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浅草博徒一代 アウトローが見た日本の闇 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/
発売年月日 2004/08/01
JAN 9784101075211

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商品レビュー

3.9

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2023/10/19

浅草の博徒、出羽家(出羽屋?)にいたおじいさんの話/ 明治38年生まれで、古い博徒だ/ 実家を飛び出し東京の下町で色々な人に出会い博徒一家に入った少年/ 出羽屋を紹介したのは「プライドの怪人」と言われた百瀬博教の父親である百瀬梅太郎だというのが凄い/ 生井一家系で柳橋の親分として...

浅草の博徒、出羽家(出羽屋?)にいたおじいさんの話/ 明治38年生まれで、古い博徒だ/ 実家を飛び出し東京の下町で色々な人に出会い博徒一家に入った少年/ 出羽屋を紹介したのは「プライドの怪人」と言われた百瀬博教の父親である百瀬梅太郎だというのが凄い/ 生井一家系で柳橋の親分としてとても有名な人だ/ 刑務所時代に北星会の岡村吾一と一緒になり仲良くなったのも凄い/ 全盛期の岡村吾一は山口組の田岡一雄など足元にも及ばない存在であった/ 第二次大戦で日本が降伏した直後に霞ヶ浦の海軍航空隊にあった何兆円分もの資材物資を周辺住人や軍人たちがみんな泥棒して大金持ちになった話も興味深い/ 終戦間際に物資が乏しくほとんどの国民が食うや食わずやの生活を強いられているときに、ツテのある田舎で豚を絞めて闇食材として高級料亭に卸し大儲けしたり、匂いでバレないように部屋中を目張りして豚を焼いて食べたり、本当にリアルで面白い/ がんがん空襲されているのに旅館を借りて賭場を開帳したり、群馬の桐生まで聞こえたという日立沖からの艦砲射撃を体験したり、とにかく興味深い話が満載であった/ 出羽屋の跡目扱いだというが伊地知栄治という名前が博徒の顔役名鑑などにも出てこないので、これは本名でなく作中消えたと書かれる兼吉なのではないかと思うがどうだろうか/ 

Posted by ブクログ

2022/10/22

 バクチ打ちというのは、今の暴力団とはまったく違います。バクチ打ちというのは、サイコロひとつで生きて行く一種の職人です。だから人情というものが大切で、人を痛めつけて自分だけ儲かりゃあいいというような考えでは、到底生きてはいけない世界ですよ。 (P.78) 親分になるような人間は...

 バクチ打ちというのは、今の暴力団とはまったく違います。バクチ打ちというのは、サイコロひとつで生きて行く一種の職人です。だから人情というものが大切で、人を痛めつけて自分だけ儲かりゃあいいというような考えでは、到底生きてはいけない世界ですよ。 (P.78) 親分になるような人間は、根性があるとか腕っぷしが強い、なんていうだけではまったくだめです。そんな人間はいくらでもいますからね。大切なのは、親分の為だったら命も惜しくない、と子分が惚れ込んでしまう器量です。 (P.109) 「さあ、どっちが足りねえんだ、どっちからでも張ってやら、なにぐずぐずしていやがるんだ。考えて勝てるものなら百年でも考えてろ!」なんて言って、札束を、まるで新聞紙でも張るようにばっさりと賭ける。 (P.305) 私は、確かに深川の女郎屋に足を踏み入れたこともなければ、駆落ちしたこともない。しかしどうしたわけか、そのようなことを過去において絶対にしたことがないとは到底思えないのだ。  もしかしたら彼の世界は私の世界であり、同時に父や祖父や、平凡な大勢の人々の共有の宇宙なのかもしれない。彼の生きた時間の異質性は単に見せかけのものであり、その深部には、私たちと同じ空気が流れているのかもしれない。 (P.417)

Posted by ブクログ

2021/07/25

1906年に生まれて15歳でヤクザの道に入り、サイコロの出目の丁半を賭ける賭博の胴元として暗躍しつつも、いさかいから同じヤクザを殺害し2度の懲役をくらいながら1976年まで生き延びたその生涯を巡るノンフィクション。ひょんな縁でヤクザと出会った医師である著者が実施した聞き取りに基づ...

1906年に生まれて15歳でヤクザの道に入り、サイコロの出目の丁半を賭ける賭博の胴元として暗躍しつつも、いさかいから同じヤクザを殺害し2度の懲役をくらいながら1976年まで生き延びたその生涯を巡るノンフィクション。ひょんな縁でヤクザと出会った医師である著者が実施した聞き取りに基づき本書はまとめられている。 さて、本書に興味を持ったのは、Bob Dylanが2001年に発表した「Love and Theft」というアルバムに収められた曲の中で、本書の英訳版から文書の一部をほぼそのまま歌詞に利用した、ということを知ったからであった。そうしたきっかけから出会った本書であるが、ヤクザ男が語るアウトローとしての歴史は、日本近現代史の裏側とも言うべき面白さに満ち溢れている。賭博のシステムとはどのようなものか、ヤクザ同志の義理・人情の実態、網走刑務所をはじめとする当時の監獄の凄さなど、とにかく出てくる内容全てが新鮮であった。

Posted by ブクログ

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