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イルカの家
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イルカの家

ローズマリー・サトクリフ(著者), 乾侑美子(訳者)

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イルカの家

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 評論社/
発売年月日 2004/12/20
JAN 9784566020955

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商品レビュー

4

10件のお客様レビュー

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2022/08/07

サトクリフの作品としては珍しく、大きな歴史的な出来事ではなく、市井の人々(子どもたち)の物語。自伝的な要素があるとのことだったが、なるほど、と思う。 読みやすいが、その分、ドラマ的な要素は少なかったかも。

Posted by ブクログ

2022/06/30

まず読んでいる途中で、「えっ、こういう展開なんだ」と感じた、物語の内容が意外で・・てっきり、主人公の「タムシン」が、憧れの船に乗り込んで、大航海時代に乗り出す冒険活劇かと、予想していたのですが。 しかし、その意外な展開が、一見素朴な日常生活の光景を描いているようでありながら、そ...

まず読んでいる途中で、「えっ、こういう展開なんだ」と感じた、物語の内容が意外で・・てっきり、主人公の「タムシン」が、憧れの船に乗り込んで、大航海時代に乗り出す冒険活劇かと、予想していたのですが。 しかし、その意外な展開が、一見素朴な日常生活の光景を描いているようでありながら、その日常に溢れているものの素晴らしいことといったら! 約9ヶ月間のロンドンでの、ギディアンおじさんの家族とともに過ごした、タムシンの日々の生活とイベントの数々は、ひとつひとつが、新たな瑞々しい発見の連続となっていて、そこに新鮮な驚きと面白さを感じられるかどうかが、本書を楽しむ鍵のような気もして・・私は好きでした。暖炉を囲む温かいひと時や、キットのお城での「信じる魔法」の世界、町の様々な建物や船のこと細かい描写に、自然の風景、動植物たち、全てが言葉を読んでいるだけなのに、目の前に浮かんでくるような、わくわく感に満ちているのは、何故なのでしょう? 特に、草花の名前だけで、いくつ出てくるのだろうといった、サトクリフの目線はすごいなと思い、「魔法使いのおばあさん」のある一頁だけで、ルリヂサ、マージョラム、ジギタリス、ニガヨモギ、メリロット、ローズオブザサン、セイヨウヤマハッカ、ベルガモット、エラカンペイン、カモミール、マリーゴールド、ヒメウイキョウ・・実はまだあるのですが、これを読んでいるだけで、花の形を知らなくても、私はとても楽しい気分になります。 つまり、楽しめるかどうかというのは、こういう事なのだと思っており、私だったら、普段気付くことができないであろう、自分の周りに何があるのかを、ひとつひとつじっくりと愛おしげに眺めている、サトクリフの姿を想像させられ、訳者あとがきにもあるように、病気のため不自由な生活をしていた彼女自身の憧れであるようにも、思われました。 最後に、私の好きな場面を少し。 こうした、素朴でささやかなものなんだけれど、何度でも読みたくなる魅力というものを、文章に感じさせられます。 『タムシンは、そうっと指の先で芽にさわってみました。花の形は、杯のようなのでしょうか、それとも星の形か、鈴のような花なのでしょうか。青い花か、黄色か、それともまっ赤でしょうか。そう考えていると、少しは気が晴れます。元気そうな、かわいらしい芽で、タムシンはこの芽が大好きでした』

Posted by ブクログ

2022/06/20

 このお話は、16世紀、大航海時代のイギリスのお話です。  主人公の十歳の少女タムシンは孤児となり、故郷の港町、ピディフォドを離れ、ロンドンのギディアンおじさんの家に引き取られました。  ギディアンおじさんは刀鍛冶と鎧職人の親方であり、ロンドンのテムズ川沿いの商家や工房が並ぶ通り...

 このお話は、16世紀、大航海時代のイギリスのお話です。  主人公の十歳の少女タムシンは孤児となり、故郷の港町、ピディフォドを離れ、ロンドンのギディアンおじさんの家に引き取られました。  ギディアンおじさんは刀鍛冶と鎧職人の親方であり、ロンドンのテムズ川沿いの商家や工房が並ぶ通りにありました。なぜ「イルカの家」というか。それはこの家が当時のロンドンに多い、切妻屋根の三階建で一階より二階が少しせり出し、そのせり出した部分の「持ち送り」の部分にきれいな青い色のイルカの彫刻が施してあったからです。ヘンリー八世の時代、人々は輝くような色を好み、それぞれの家に凝った彫刻をして、きれいな彩色をしていたそうです。  当時のロンドンの工房の様子。買い物に行くとき通りが臭いから、いつもハーブの束を握りしめていく様子。年に一度くらい、テムズ川を舟で上り、家族でピクニックに行く様子。五月祭りで若い徒弟たちが、お約束のケンカをして名誉の傷をこしらえて、誇らしげに叱られる様子。王様の船がテムズ川を下ってきたら、喜んで家の裏の土手を上り、王様を見つけて「万歳」と叫ぶ様子。ハロウィンに暖炉の周りに集って、お母さんから妖精伝説のお話を聞かせてもらうこと。特別な時には「ダマスク織りの」服を着ること。クリスマス前には家族がそれぞれのプレゼントを内緒で用意して(手作りが多いが見てみぬふりをする)隠しておくこと。当時の素敵な習慣にこちらの目がキラキラする。  作者のローズマリー・サトクリフさんは歴史小説の大家であられたらしく、イギリス史の堅牢な知識がこの児童書にリアリティを持たせ、味わい深いものにしていると感じられる。  一番素敵なのは、タムシンと従兄妹のピアズが船への夢を通じて心を通わせることだ。故郷のピディフォドで交易商人マーティンおじさんの船に乗るのことが夢であったタムシンと本当は船乗りになりたいが、諦めて父親の徒弟になっているピアズが屋根裏部屋で蝋燭の灯りの中、秘密の「新世界の地図」を広げて、いつか二人の「イルカと冒険の喜び号」に乗って大航海する空想を広げているのだ。  この時代から500年たち、飛行機が出来、ロケットが出来、人工衛星が出来、通信網が出来、もうどこへも行かなくても世界のことが瞬時に分かるようになってしまった。  どこへも行かなくてもいいけれど、この時代のこのイルカの家に行ってみたい。タムシンたちが夢見た“新世界”と同じくらい夢があるよね。絶対叶わないけれど。

Posted by ブクログ

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