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中村文則(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2004/06/30
JAN 9784104588022

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商品レビュー

3.2

42件のお客様レビュー

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2024/02/06

作品に救いはないが、それ自体が救いのような気もする。 根本的に自分というものがなく、場面場面で誰かを演じることで、どうにか自分を引き止めていた主人公。そのせいか自分を過度に客観視した文体になっていて奇妙で新鮮だった。彼女を愛していたというより、彼女が死んでから、その指自体に自分...

作品に救いはないが、それ自体が救いのような気もする。 根本的に自分というものがなく、場面場面で誰かを演じることで、どうにか自分を引き止めていた主人公。そのせいか自分を過度に客観視した文体になっていて奇妙で新鮮だった。彼女を愛していたというより、彼女が死んでから、その指自体に自分のアイデンティティを見つけようとしていたように見える。だから純愛というのも違う気がする。アイデンティティを見つけることの難しさを描いたのかな。 気持ち悪いけど気持ち悪いと言い捨てるには、感情移入しすぎてしまった。 親しいはずの友達とは何か壁を感じ、好きな女は好きなはずだがなにか違和感を感じ、そんな中で自分の内面を許してくれるような、受け入れてくれるようなナニカと出会い、それに依存するが最終的には、、、 という展開や作品の雰囲気は銃と似てた。

Posted by ブクログ

2023/11/26

黒いビニールに包まれた瓶を肌身離さず持ち歩く青年が、瓶の中身に執着し取り込まれていく様子は、前作『銃』を彷彿とさせます。 虚言癖、唐突すぎる暴力衝動など、狂気に満ちた言動は理解出来ませんが、その迫力は十分で読み進めるごとに引き込まれてしまいました。 陰鬱さと不穏さがドライに描...

黒いビニールに包まれた瓶を肌身離さず持ち歩く青年が、瓶の中身に執着し取り込まれていく様子は、前作『銃』を彷彿とさせます。 虚言癖、唐突すぎる暴力衝動など、狂気に満ちた言動は理解出来ませんが、その迫力は十分で読み進めるごとに引き込まれてしまいました。 陰鬱さと不穏さがドライに描かれ、息苦しさすら感じる暗い世界観。 それでも、他の作品も読みたくなってしまうという、不思議な魅力を感じる一冊です。

Posted by ブクログ

2021/08/30

ずーっと漂う不協和音は、段落わけの無い文章からも来るものなのだろうか。主人公の想いとリンクと言うよりもモヤがかかる感じ。その閉塞感と不協和音は、解消されることのないまま、物語は転がっていきます。どう転がるものか。不穏なまま、読み進めることが止まらないのも一興です。

Posted by ブクログ

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