愛情日誌

夏石鈴子(著者)

• 内容紹介: 内容:おでかけ. 愛情日誌. 催花雨
• 販売会社／発売会社: マガジンハウス/
• 発売年月日: 2004/07/15
• JAN: 9784838715275

商品レビュー

2013/04/07

働きながら子育てをしている人は共感度100％の小説だ。
その前にこれは一体小説なのか？
小説というよりある夫婦の日常生活のドキュメンタリーを見ているよう。
夫に対する些細な小言、子供への接し方。それに対する妻の反省などなど。これって私のことか？と思うほどどんぴしゃ(笑)

小説のテーマは夫婦のセックスのこと。
ここまであっけらかんと赤裸々にセックスについて、しかも後ろめたさの微塵もなく書ける作家がいるなんてびっくりした。
色気なんてどこにもない。まさにリアルな夫婦生活そのもの。
一体この本の需要はどこにあるんだろうと考える。
独身女性がこれを読んだらがっかりしちゃうかな、リアル過ぎて。
じゃあ、男性は？？ますます微妙。

でも大丈夫。
夫婦にとって、家族にとってもっともっと大事なことがこの本のなかにはたくさん詰まってる。
保育園に子供を送っていく途中の子供との会話。
夜中に小さい手を握ってトイレに連れていく描写。
何気ない夫との逆のやり取り。
すべてに愛が溢れてる。
夫には悪いけど、妻にとってセックスなんて二の次なのだ。
そんな家族の在り方、夫婦の在り方っていいじゃない。
小さな幸せってこんなことだ、きっと。
いいな、家族って。

2011/06/10

旦那は収入不安定な映画監督兼俳優。
４歳と２歳の子供持ち。
そんな働く主婦豊子の日常。
書けそうで書けない、上手な心理描写に
毎回のことながら「うまい！」
「うんうん、そうだよね」って
うなずきながら読んだ。
子供を持つってこういうことだよねって思った。
「夏の力道山」の前段階の本なのか？
力道山を読んだ後だったから、おなじみ家族に
ニマニマして、あっという間に読破。

2011/04/19

３篇収録されており、1つは別のお話。
結婚生活って何だろう。
夫婦って何だろう
と考えさせられます。

p.70
「結婚していなければ、
『何で結婚しないの？』と言われ、
結婚すれば、『子どもは？』と言われ、
赤ん坊を連れていると、『二人めは？』と言われる。
二人子どもを連れていると、もう何もいわれない。」

p.118
「わたしはね、ちんちんの安定供給より、
日々の親切のほうが嬉しいんです」

ｐ.125
「ずっと一緒にいるということは、
相手の体の記憶が、自分の体に移り住むということだ。
体のことだけじゃない。一緒に過ごしてきた時間が、
層を成して、お互いの成分になることだ。」