名探偵は九回裏に謎を解く 創元推理文庫

戸松淳矩(著者)

• 販売会社／発売会社: 東京創元社/
• 発売年月日: 2004/07/16
• JAN: 9784488446024

商品レビュー

2014/11/01

シリーズ二巻｡前巻を読み終えてからすぐに購入しました｡
誘拐などの奇怪な事件の連続は､若干前巻と被るようでいかがなものかとも思えます｡少し違う展開を望んでいたのでもう一捻り欲しい感じです｡
しかし前巻同様キャラクターの配置､掛け合いが上手く､それで読めてしまうんだから歯痒い｡どたばたと右往左往する江戸っ子連中はコメディとして実に面白い｡
結末も少しダークな展開でグッときます｡
サブのキャラクターをもっと固定して､シリーズものの構成をとれないものか､とも考えましたが､それこそ野球のヤジ的な話なので､黙って次巻に期待です(苦笑)

2006/11/23

殺人が起きない探偵モノっていうのは好きだ。所謂ハードボイルドみたいに仕掛けがどんどんでかくなって、インフレを起こしていくのもいいけど、「こんなこともありました」的なミクロの探偵モノもいい。主人公が高校生だけあって、それほど事件に首をつっこめないっていう妙なリアリティもまたそれでいい。1980年の時代風景が伝わってくるようでほのぼのした気分で読めた。

2004/11/02

前作に比べると、若干重たい事件ではあるが、最後の幕引きはきれい。謎を解くのが「九回裏」でなくてはならない必然性が特に。