語り継ぐトランスジェンダー史 性同一性障害の現在・過去・未来

虎井まさ衛(著者)

• 販売会社／発売会社: 十月舎/星雲社
• 発売年月日: 2003/07/23
• JAN: 9784434033308

商品レビュー

2019/12/13

「語り継ぐトランスジェンダー史」　虎井まさ衛　2003　十月舎

1995年春「一般の人々に真の姿を知らせ、決して「頭がおかしい」だの「キモチワルイ」だの「男（女）のフリをしているだけなんだ」だのと思わせないためにも、様々なアクションを起こす必要がありますし、皆さん一人ひとりも自分を磨いていく必要があるのです。」ｐ.27

ブランドン・ティーナがヘイトクライムで殺された後に出したFTM日本の記事に書かれてたのがこれ。トランスジェンダーの権利を訴えるよりも、トランスジェンダー当事者に社会に受け入れられるように振舞うことを呼びかけているのは、トランスジェンダーへの抑圧の強さを表しているのかと創造はできる。でも、社会がトランスジェンダーにかけている圧力がどんなものかは、シスジェンダーにはわからない。

「第12回世界性科学学会　公開シンポジウム「日本におけるトランスセクシュアリズム」で紹介されたカナダ在住のトランス女性の手紙」1995年秋
「この15年間、日本では何も変わらず、自分の未来に何の希望も持てなかったというのが本当の気持ちです。何も、結婚だけが望みではありませんが、私たちが望む性で生きられないのなら、私たちの人権はどこにあるのでしょう。私はこの15年間、水商売で生計を立ててきましたが、それが一番自分のしたいことだったわけではありません。でも自分の望む性のままの姿で、一番迫害が少ない仕事といえば、ｋろえしかないのも現状です。私は二級市民のままで一生を終わりたくなかったのです。私は自分を一人の人権のある人間として、それが正当に扱われる国、社会の中で残りの人生を送りたかったのです。」ｐ.32

2000年9月、南野千恵子参議院議員が中心になって、自民党内に「性同一性障害勉強会」が発足する。ｐ.96
南野千恵子はもう政治家を引退しているみたい。この勉強会に参加していた議員で今も現役の人っているのかな？

「司法的訴えで社会的認知が高まれば、議員立法にも弾みがついて、すべてのTG／TSに道が開けるかもわかりません。」ｐ.101

2001年5月に行われた戸籍上の性別訂正一斉申し立てをしたうちのひとりは、インターセックスのように目に見える証拠もなく、脳の性分化が原因かもしれないとはいえ環境要因でなるかもしれないトランスジェンダーの性別訂正は、社会的な認知も少ないためという理由で認められなかった。
韓国では、個人の幸福追求権を認めて戸籍上の性別訂正が許可された例もある。ｐ.136

https://www.youtube.com/results?search_query=robert+transgender+man+eads

https://www.google.com/search?q=%E6%AD%A6%E8%94%B5%E9%87%8E%E5%B8%82+%E6%80%A7%E5%90%8C%E4%B8%80%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%92%E6%8A%B1%E3%81%88%E3%82%8B&rlz=1C1RXWP_enJP784JP784&oq=%E6%AD%A6%E8%94%B5%E9%87%8E%E5%B8%82%E3%80%80%E6%80%A7%E5%90%8C%E4%B8%80%E6%80%A7%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E3%82%92%E6%8A%B1%E3%81%88%E3%82%8B&aqs=chrome..69i57.26837j0j7&sourceid=chrome&ie=UTF-8

「性の問題が人生すべてを支配する重大なものになり得る」ｐ.161

「大抵の性的に問題が無いと自分で思っている男というものは、性的少数者を怖がるからである（性がゆらぐことがある、という事実に耐えられないのだ）。」ｐ.163

トランスジェンダーの中で性別適合手術まで必要とするのは30％ほど。性別適合手術を必要とするトランスジェンダーをトランスセクシュアルと呼ぶこともあるけれど、トランスジェンダーという枠組みの中で、更にグループ分けをする必要はないと考える当事者もいる。

家制度って何なんだろう。