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能力構築競争 日本の自動車産業はなぜ強いのか 中公新書

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社/ |
発売年月日 | 2003/06/25 |
JAN | 9784121017000 |


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能力構築競争
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アメリカの技術にも決…
アメリカの技術にも決してひけをとらない日本の技術のすごさを垣間見ることができる。
文庫OFF
ある会社の「人だけ」総入れ替えしたとする。昨日までの会社と、入れ替えてからの会社は、同じように操業できるだろうか。設備やマニュアル、制度はあっても、そこに対する熟練、人が保有するノウハウがない。作業標準があれば、手探りでもある程度現場は動くだろうが、外殻だけあってもやはり会社が今...
ある会社の「人だけ」総入れ替えしたとする。昨日までの会社と、入れ替えてからの会社は、同じように操業できるだろうか。設備やマニュアル、制度はあっても、そこに対する熟練、人が保有するノウハウがない。作業標準があれば、手探りでもある程度現場は動くだろうが、外殻だけあってもやはり会社が今まで通り、機能するとは言えない。これは若干、ドラゴンボールのギニュー隊長がその技により悟空の身体と「チェンジ」したが、肉体と精神が一致せず、力を発揮できなかったという現象に似ている。 企業の業績を左右するのは景気や外部環境もあるから、一時の経営不振で、即その企業が弱い、とはならない。業績の波を超えながら、企業は経験を組織に取り込みながら能力を構築しているものだというのが本書。上述は、その能力が宿るのは、肉体か精神かを私が勝手に妄想したもの。 例えば、会社で働く全ての人が、逆に全く別の会社を立ち上げたならば、今までと似たような会社を作る事はできる。しかし、人だけ変わった今までのA社、新しく立ち上げたB社はどちらが強いだろうか。 強さは人に付随する。しかし、それはジワジワと会社の仕組みに組み込まれていく。自動車産業に関して、私はまだA社が勝つのではと思う。つまり、系列も販売店もブランドも同じで、従来通りのモノづくりが可能ならば、消費者は、A社の商品を買わない理由があまりない。 つまり、日本の自動車産業が何故強いか、これは、築き上げてきたブランドによるのだが、そのブランドを磨き上げる組織の日々の向上心が機能していて、それによる積み重ねだと言える。 その中で、古いのだが「リエンジニアリング」という考え方が重要なポイントの一つだと思った。 ー アダム・スミス以来、分業は生産性向上をもたらすとされてきたが、二十世紀の教訓は「過ぎたるは及ばざるがごとし」、つまり過剰分業の弊害であった。専門化の論理を武器に二十世紀前半、世界経済を席巻したアメリカ式大量生産方式が二十世紀後半になって失速しはじめた一因が過剰専門化であったことは、いまや定説といえる。労働者の作業や生産設備を細かく専門化しすぎたために、生産システムが硬直化し、調整コストやムダが発生し、コスト・品質面の競争力を低下させた、ということである。しかし、戦後日本の自動車企業などの生産現場では、そうした過剰分業的制度の導入が抑制され、むしろ幅広い職務区分、多能工育成、多工程持ちなどの組織ルーチンが定着し、競争力を支えてきたわけである。一九九〇年代に一時流行したアメリカ発の「リエンジニアリング」は、過剰分業を回避すべきことを正しく指摘していたが、日本の生産現場ではこのことは理論なき実践として長く定着していたのである。しかし、日本メーカーははじめから国際競争力の向上を目的として、意図的に過剰分業を回避してきたのだろうか。そうともいえない側面がある。むしろ、国内市場が成長していくなかで、生産現場が恒常的に「猫の手も借りたい」状況に置かれていたため、欧米量産企業のように細分化された職務区分を工場に持ち込みたくてもその機会がなく、幅広い職務配分とせざるをえなかった、という状況が頻繁に観察される。 ー 社長が送り込まれたことによって「事実上傘下に入った」とみる向きもあるが、むしろ「能カ補完型の提携」とみることも可能だ。そもそも、オペレーション能力で世界をリードする日本企業は、その「もの造り能力」を海外拠点に適用する「トランスプラント戦略」を柱にグローバル化を進め、またその開発力を使って高級車分野への多角化を図るという、欧米企業とは異なるオペレーション主導の展開をみせてきた。しかし、バブル経済崩壊後の一九九〇年代、戦略構想能力の弱さが一部企業で顕在化し、マツダ、日産、三菱などが財務的に苦境に陥ったそこに目をつけたのが、資力と戦略構想力で優る一部の欧米企業であり、これら日本企業との包括的資本提携を果たした。これを、欧米企業の地域補完的な対アジア戦略とみることもできるが、「組織能力補完型」の提携とみることもできる。すなわち、社長送り込みによって、日本企業の戦略構想能力の弱点を短期集中的に強化し、また資本注入によって財務的体力を回復させる一方、依然として強い日本企薬の製造・開発能力は徹底的に活用する、というものである。 考えさせられるし、勉強になる本。
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トヨタの「マニュファクチャラーとしての能力」がいかに優れているか、それがどのようにして構築されてきたのかについて非常に深い考察を重ねる。この能力は、創発的なアプローチのたまものであり、能力を構築する能力の高さに帰着できることを喝破。非常に参考になる。製造業のマネージーのみならず、...
トヨタの「マニュファクチャラーとしての能力」がいかに優れているか、それがどのようにして構築されてきたのかについて非常に深い考察を重ねる。この能力は、創発的なアプローチのたまものであり、能力を構築する能力の高さに帰着できることを喝破。非常に参考になる。製造業のマネージーのみならず、すべてのビジネスマンへ。
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