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りそなの会計士はなぜ死んだのか
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りそなの会計士はなぜ死んだのか

山口敦雄(著者)

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りそなの会計士はなぜ死んだのか

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 毎日新聞社/
発売年月日 2003/07/25
JAN 9784620316468

りそなの会計士はなぜ死んだのか

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商品レビュー

3.3

6件のお客様レビュー

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2019/06/30

本書のタイトルはりそなの会計士は【なぜ死んだのか】である。世間一般には自殺として報道されていたため、無意識的に【なぜ自殺したのか】の方がしっくりくる。これは他殺の可能性もゼロではないという点への配慮であると感じられた。 なお、本書ではなぜ死んだかは明らかにならない。それは、死人に...

本書のタイトルはりそなの会計士は【なぜ死んだのか】である。世間一般には自殺として報道されていたため、無意識的に【なぜ自殺したのか】の方がしっくりくる。これは他殺の可能性もゼロではないという点への配慮であると感じられた。 なお、本書ではなぜ死んだかは明らかにならない。それは、死人に口なしで本人のみぞ知ることである。が本書は他殺説の立場ではなく、自殺説の立場に立っている。他殺説の陰謀を明確に示すのは難しいと私も考える。いくら実質的な現場責任者であるとはいえ、監査意見を出すのはパートナーである。シニアマネージャーを暗殺したところで、効果は薄い。暗殺せずとも、パートナーや本部が意見すればそれが通るのだからそちらに働きかければ済む話だ。したがって自殺説が有力であると言える。 私自身、元大手監査法人所属の公認会計士であり、本部審査会がいかなるものか理解しているつもりだ。以下それぞれの登場人物の行動を考察した。 りそな:繰延税金資産を計上したい。計上案を監査法人に提出。会社を潰すわけにはいかないので当然の行動である。 平田氏:長年担当している会社の危機。あっさりりそなの判断を突き返し計上を認めないうことは考えにくい。りそなからの圧力があろうと彼の判断基準は会計基準と監査基準である。監査調書をまとめ、判断根拠を文書化する。人柄からも責任感を持っている。りそなの主張をどこまで許容可能か、必死に検討したものと推察する。繰延税金資産の計上は将来の収益計画次第であり、未来のことなど誰にもわからない。答えのない世界であり、その中で繰延税金資産を幾分か計上可能と判断することは不可能ではない。 このような状況の中、りそな側の主張を通す方向で取りまとめた。当然チームのパートナーと合意した上で本部審査会に挑んだ。 監査チームパートナー:平田氏が検討した結果をレビューし、承認する立場にある。繰延税金資産の計上に関しては、重要な検討事項であり、監査法人として判断の妥当性が問われるため本部審査会の受審が必要であった(監査法人の品質管理上のルールがある)。監査報告書にサインし、責任を負うため平田氏と意見が異なれば、当然覆す権限がある。本部審査会を受審する段階では監査チームとしての意見は統一されている必要があるため、平田氏同様、りそなの主張を通す方向で結論づけたと考えられる。 朝日監査法人:基本的には各監査チームのパートナーが判断をして監査意見を出すが、法人として重要な検討事項がある場合には、品質管理のため本部審査会を受審する必要がある。基本的リスクを取りたがらない人たちなので、厳格監査となる。わざわざ繰延税金資産の計上を認めて後々責任を問われることを指示するメリットはない。したがって、繰延税金資産の計上を認めないと判断したことが容易に想像できる。 ここで平田氏の心情を考察する。私だったらこう考えるかもしれないと思う創作だ。 担当会社の危機を救う決意で必死に審査書類を作成した。繰延税金資産を計上可能と判断するための、監査証拠を入手した。監査チームのパートナーとも合意し、あとは本部審査会での承認を得るのみだ。が、本部審査会は冷たかった。あまりにもリスクを取りたがらない。平田氏の努力の結晶を一蹴した。繰延税金資産の計上は認められない。初めから結論ありきの審査だった。理不尽だ。やってららない。もう疲れた。りそなになんて伝えよう。俺のせいでりそなが破綻してしまう。だけどもう疲れた。。。 強過ぎる責任感と肉体的疲労や精神的疲労によって正常な判断が出来なくなっていたのかもしれない。想像でしかないが私にはありえる話だと思う。 平田氏のような立派な会計士を失ったことは間違いなく日本の損失だ。最大の敬意を払い、御冥福をお祈りする。

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2011/11/18

税効果会計という会計処理ひとつで、一人の会計士が亡くなり、一つの銀行が実質国有化されるという現実を生んだ。 この本で監査法人と企業、その狭間にいる現場の会計士、さらには監督官庁に至るまで、彼らの微妙な関係はよくわかる。 ただ著者の推理に過ぎない結論を押し付けすぎている感があるの...

税効果会計という会計処理ひとつで、一人の会計士が亡くなり、一つの銀行が実質国有化されるという現実を生んだ。 この本で監査法人と企業、その狭間にいる現場の会計士、さらには監督官庁に至るまで、彼らの微妙な関係はよくわかる。 ただ著者の推理に過ぎない結論を押し付けすぎている感があるので、その分はちょっとマイナス。 『会計』って何が正解なんすかね・・・?

Posted by ブクログ

2010/06/17

事件が起きてからあまり時間が経過していない時点で書かれた本なので 断定できない箇所はあったと思うが、今読むと結局結論は? といいたくなる内容。 彼がなぜ死ぬ必要があったのか?と言う疑問には この本に納得できる結論は見つけられなかった。 ただ、公認会計士の職務意識、倫理観などを知...

事件が起きてからあまり時間が経過していない時点で書かれた本なので 断定できない箇所はあったと思うが、今読むと結局結論は? といいたくなる内容。 彼がなぜ死ぬ必要があったのか?と言う疑問には この本に納得できる結論は見つけられなかった。 ただ、公認会計士の職務意識、倫理観などを知ることは出来た。 しかし一つの事実が、色々な立場で様々に解釈されている。 特に権力者の発言は、意図するしないに関わらず 強い影響力がある事や、末端ほどその影響に翻弄される 事実が彼の死の象徴なのだろうか?と思った。

Posted by ブクログ

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